アジア石油製品=3月25~29日:輸出割当量不足で販売に慎重姿勢 中国
ガソリン 供給減でオキシー品の市況が急伸 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は22日と比べ急伸した。供給量の減少が上げ材料視された。夏場の需要期に向かうなか、中国ではこれから製油所の定期修理シーズンに入ることから、同国による4月の輸出量が大きく減少する見通し。同国の主要な輸出元である中国石油天然気(ペトロチャイナ)傘下の複数の大型製油所が定修入りを予定している。このため、同社による4月の輸出予定量は30万トンを下回るとの情報が聞かれる。また、中東やインドからアジアへの玉の流入も減退している。そのうえ、フレートが続落していることも支援材料となっている。
ナフサ 相場の基調は弱まる、売り気強く 日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、日本市況に対しカーゴ到着30日前評価で15.00~16.00ドルのプレミアム、カーゴ到着45日前評価で8.50~9.50ドルのプレミアムで推移している。スポット市場で売り気が強まっており、相場の基調は弱い。日本の石化1社は入札を通じて、5月前半着オープンスペック・ナフサ2万5,000トンをCFRベースで同市況比10ドル台前半のプレミアムで購入した。複数の売り手が先物価格よりも安値で応札したようだ。売り物が余っているようで、売り気が強い。 北東アジア域内ではナフサクラッカーの定期修理が随時始まるほか、不具合により稼働率を低下させたり、停止させて修繕したりする動きが見られる。また、経済性の悪化からクラッカー稼働を引き下げることを検討している石化メーカーも聞かれるなど、ナフサ消費量が減少する可能性が高まっている。
中間留分 日本商社が韓国積みSR船型灯油を物色 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は中国積みが小幅に下落した。中国積みの売り気が強まりを受けた。ジェット燃料の内需が弱く、在庫を輸出に振り分けているとみられる。 韓国積み灯油(SR船型)の市況連動相場は横ばい。日本の商社が韓国積み灯油(SR船型)を物色しているようだ。在庫の払い出しに伴って北海道の灯油在庫が底を突きつつあり、輸入を検討しているという。ただ、韓国から日本へのSR船型の輸入採算が合っていないため、実際に調達するのはまだ難しいと指摘された。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は強含んだ。MR船型のフレート縮小を背景にFOBベースのディスカウントが上昇。また、日本勢が定期修理を背景に販売を抑えていることも相場の下支えにつながった。こういったなか、韓国では複数石油会社が4月下旬積みの販売を進めた。SKエナジーは先週までに4月27~29日積み、4月29日~5月1日積みの各MR船型計2カーゴを販売。価格はFOBベースでシンガポール市況対比いずれも1.95ドルのディスカウントで、買い手は豪州向けに充てる予定だ。 中国石油会社の4月積みの販売は70万トン程度にとどまる見通し。第1回の輸出割当量の残量が限られるが、政府による第2回の輸出割当量通達は不透明だ。こういった状況下で、石油会社は慎重に輸出を行っている。
重油 アジア域内でHSFOの余剰感続く 韓国積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場は、シンガポール市況(380cst)に対し29.50~30.50ドルのディスカウントと、前日から横ばいとなった。引き続き韓国積みの高硫黄重油(HSFO)の商談は聞かれない。一部石油会社が4月以降、製油所の定修を予定しているため、スポット玉が限られるとみられている。一方、シンガポールを中心としたアジア域内では出物が多く、余剰感が解消されていない。既報のとおり、クウェートやインドネシアなどから4月以降の船積みで複数カーゴが売りに出されている。このためカーゴ数は多くないものの、北東アジア積み品の商談水準も低迷したままとの見方が強い。
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