アジア石油製品=5月13~17日:韓国積みSRガソリンが上昇、日本向け採算改善で
ガソリン 需要が減退し、ノンオキシー品の市況が下落 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は軒並み下落した。需要が減退し、相場は値下がり。アジアから米西海岸向けのアービトラージは開いたままであるものの、米国では在庫が積み上がっていることなどから、同地域向けの買い気が低迷している。スポットの取引では、中国石油天然気(ペトロチャイナ)が6月2~6日に千葉出しの92RONガソリンMR船型を販売した。 一方、韓国積み91RONガソリン(SR船型)の市況連動相場は上昇した。輸入採算が大きく開いていることを好感し、日本から買い気が増えている。海外市況安を背景に、日本では韓国品の輸入採算が国内価格より割安となっている。一方、韓国では6月積みのスポット玉が限られ、売り手は強気な姿勢だ。
ナフサ 需要振るわず市況は軟化か、ガソリン市況も強さ欠く 日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、日本市況に対しカーゴ到着30日前評価で10.50~11.50ドルのプレミアムで推移している。石化市況が上向く兆しはなく、石化向けナフサ需要も振るわない。足元で製油所稼働率の引き下げが供給を絞るとの見方は根強いものの、ナフサが基材として使用されるガソリンの市況も軟調で、「ナフサ市況の基調は軟化に転じているように感じる」(市場関係者)との声が聞かれた。 装置関連で日本の丸善石油化学は15日、ナフサクラッカーの定期修理を開始した。7月19日までを予定している。ENEOSは現在、川崎製油所のナフサクラッカー1基の定期修理を実施中だが、再開時期が遅れそうだ。市場関係者によると、当初は5月中旬を予定していたが、5月末の再稼働を目指しているという。台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)は16日に第1ナフサクラッカーを立ち上げる計画だ。なお、第2クラッカーは20日ころに停止するとみられる。
中間留分 0.001%S軽油相場下落、販売継続もアーブ縮小で売り先なく 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は軟化。中国からの売り気は今後増加する見通しだ。複数製油所が定期修理を終えて供給を増強するためだ。しかし、現在米向けのアービトラージも縮小しており、欧米向けLR2船型の採算も妙味のある水準ではないため、需給緩和が予想されている。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は下落した。需要が弱く、相場は強さを欠いている。域内外で需要の弱さが目立っている。欧州で需要が弱く、市況も軟調とあり、インドや中東積み品がシンガポール方面へ流入している。また、韓国国内で内需が減退気味となっており、同国からの販売数量も増加している。需給に引き締まり感がなく、相場の上値は重たい。
重油 北東アジアのLSFO相場が小幅上昇、余剰感後退で 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は上昇した。アジア域内の余剰感が後退している。韓国では石油各社がマージン低迷を理由に製油所の稼働を引き下げており、スポット販売余力低下している。「アジア域内の荷余り感は以前より弱まっている」(市場関係者)との声が聞かれる。一方、需要面では舶用、発電用ともに大きな変化はみられない。 クウェート石油(KPC)が実施した7~12月分の0.5%S重油のターム販売入札は、エクソンモービルが落札したとの情報が伝えられた。価格はシンガポール市況(0.5%S)に対し7.00~7.50ドルのディスカウントという。KPCは36万トンを供給する。
|
|