アジア石油製品=3月24~28日:ジェット燃料上昇、出光興産が買い気示す
ガソリン ペメックスがシンガポール積み品を調達 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は横ばい。中東品の数量が多い一方で、北東や東南アジアでは装置の不具合や製油所の定期修理により供給力が低下気味だ。 こうしたなか、メキシコ国営石油会社(ペメックス)は27日までに、4月シンガポール積み92RONガソリンをMR船型で3カーゴ購入。域外向け需要の浮上により、シンガポール積みの市況連動相場が押し上げられた。 中国からの販売が減少している。2025年1~2月の輸出量は計69万9,246トンとなり、前年同期の156万8,765トンを約55.5%下回った。山東省の独立系製油所の稼働が平均50%前後に沈んでいるとあり、国営企業がガソリンや軽油の国内供給を優先している。 3~4月の輸出量は各70万トン程度と観測されている。春の定期修理シーズンにより精製量が落ちるうえに、2回目の輸出割当量の通達時期が不明のため、慎重に販売を進めるとみられる。
ナフサ 軟化、需給引き締まり感が後退 5月前半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は需給の引き締まり感緩和により、軟化した。相場の過熱感から、一部の需要家がスポット市場の玉を買い控える意向を示した。また、中国の新設ナフサクラッカー向けの購買活動が一巡しつつあると見るプレーヤーも確認された。 韓国の石化1社は26日、入札を通じて、5月前半着オープンスペック2万5,000トン2カーゴをCFRベースで日本市況に対し、16.25ドルのプレミアム(30日前評価)、9.25ドルのプレミアム(45日前)で購入した。 重質ナフサ市況も上値の重たい状態が続いている。芳香族市況の不調が重石と指摘された。韓国石油1社は26日締めの入札で、5月前半着スキクダ品2万5,000トンをCFRベースで同市況比24.00~25.00ドルのプレミアムで購入した。
中間留分 0.001%S軽油市況下落、中東とインド積み品の供給増で 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は小幅に上昇した。需要増の兆しが相場を押し上げた。アジアから米西海岸向けのアービトラージが開きつつあるようで、域外向けの買いが期待されている。 日本からも4月積み品に対する買い気が見られる。複数の市場関係者によると、出光興産が少なくともMR船型1カーゴを4月積み品で買い付ける方針という。同社はすでに4月積みとして米方面向けを複数カーゴ確保しているようだ。同社は4月以降、千葉事業所(日量19万5,000バレル)で二次装置の補修工事を計画している。これに伴い供給が細ることも買いの要因として指摘された。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は切り下がった。北東アジア品の主な向け先である豪州には、このところインドからのカーゴが大量に流入しており、豪州のプレーヤーの買い気が弱いという。インド品で調達を済ませたプレーヤーが多いため、北東アジア積みに関心を示す業者が限られているようだ。 韓国1社は、4月末積み0.001%S軽油(MR船型)をFOBベースにしてシンガポール市況比1.15ドルのディスカウントで販売した。シンガポールに仕向けられる見通し。
重油 欧州玉増で緩和感が台頭、HSFO市況が軟化 韓国積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場は弱含み。需給緩和観測の台頭が弱材料となった。市場関係者によると、大型船による欧州玉の持ち込みが増加しつつあり、アジアでタイト感がやや解消されつつある。シンガポールの残渣油在庫もこのところ増加に転じている。「少なくとも4月前半ころまでは余剰感が薄れる傾向にありそうだ」(同)との声が聞かれた。 一方、その後は再び、欧州からのアーブ品の数量が減少し、アジアの市況に押し上げ圧力が強まるとの見方も伝えられた。
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