アジア石油製品=3月31日~4月4日: ジェット相場は軟化、中国積みの売り気強く
ガソリン 日本の買い気増の観測、輸入採算向上で 北東アジア積みのノンオキシーガソリンの市況連動相場は横ばい。足元では需給に引き締まり感がなく、相場の上値は抑えられている。ただ、今後は夏場のドライブシーズンに向けて需要が増加すると予測されており、押し上げ材料となる可能性が指摘された。 日本からはENEOSが4月前半川崎積みとして、92RONガソリンをMR船型で販売済みだ。そのほかの元売りからの売りは聞かれない。出光興産は5~7月の期間に製油所の定期修理が重なるうえ、足元で北海道製油所が二次装置不調を抱えている。ただ、ガソリンの精製マージンを考慮すると「製油所で自らガソリンを作るよりも、距離が近い韓国の製油所から輸入した方が採算が良い」(トレーダー)との見方も寄せられた。
ナフサ 軟化、供給量回復の観測 5月後半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は切り下がった。需給引き締まり感が後退し、相場は弱含んでいる。市場関係者は需給緩和の背景について、「欧米や中国で定期修理を終える製油所が出始めたことにより、供給が回復したようだ」と指摘。とりわけ、中国の需要家が国産ナフサを得られるようになれば、輸入意欲が弱まるとの見方を示した。5月前半着品までの相場は中国向けの強い買い気が相場を押し上げる一因となっていた。
中間留分 ジェット相場は軟化、中国積みの売り気強く 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は軟化した。中国からの売り圧力が強く、相場は弱含んでいる。インド品がアジアに流入していることも弱材料となった。中国石油天然気(ペトロチャイナ)傘下の大連西太平洋石油化工(ウェペック)は入札を通してMR船型1カーゴを販売した。また、中国国際石油化工連合(ユニペック)が4月22~24日積みとしてMR船型1カーゴの販売を進めた。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は上昇。買い気の強さに加え、供給の引き締まり感を受けた。出光興産が軽油に買い気を示している。同社は4月積みとしてMR船型を少なくとも3カーゴすでに調達したという。同社のグループ会社の複数製油所が5~7月にかけて定修を予定。このなかで富士石油袖ケ浦製油所(日量14万3,000バレル)が3月22~27日に急遽停止したため、同社製油所の定修入りを前にした在庫の積み上げが進んでいないようだ。また、出光興産は北海道製油所(同14万バレル)と千葉製油所(同19万5,000バレル)の二次装置の定修が夏場に集中。さらに北海道製油所は2月以降、二次装置の稼働率が低下しており、これを受けて急遽調達に踏み切ったとみられている。
重油 需給引き締まりで低硫黄重油の市況が上昇 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は上昇。需給引き締まり観測が強材料となった。SKエナジーが残渣油脱硫装置(RDS)を実施していることに加え、S-オイルも二次装置の定修を予定。これを受けて一部の韓国石油会社が、バンカー用として0.5%S品を購入したとの情報もある。また、ガソリンと重油の価格差が広がっているため、流動接触分解装置(FCC)のマージンが好転。一部石油会社がFCCの稼働を上げ、重油の出物が減っていることも品薄感に拍車をかけているとの見方も浮上した。
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