アジア石油製品=4月7~11日:ナフサ市況下落、経済減速の懸念で
ガソリン 韓国積みSR船型への引き合い弱く 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は週間を通じてもち合った。スポット市場では韓国のGSカルテックスが5月中旬積み品の売り入札を出した程度だった。 韓国積み91RONガソリン(SR船型)の市況連動相場も変わらず。韓国の市場関係者によると、日本から5月積みの買い引き合いが出ていない。足元で日本商社が輸入に踏み切る積極的な理由が見当たらないという。国内在庫に不足感がないことに加えて、政府が6月からの補助金の増額を検討しているとされ、小売価格に先安観があるため、5月の末端需要が抑えられる可能性もある。
ナフサ 一部の国でLPGへの切り替え加速の見方 5月後半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は弱含み。米国と中国による貿易摩擦により、経済が減速し、石油化学品の需要が減少するとの懸念が強まるなか、製油所の定期修理明けによる供給量の増加が見込まれる。 一方で、LPG相場の暴落を受け、一部の国でナフサからLPGへの原料切り替えが加速するとの観測も聞かれた。市場関係者は「軟調なアロマ市況が継続した場合、アロマの採算を考慮する必要性が低下し、期先にかけてより一層LPGへ切り替えやすくなる」と指摘した。ナフサが基材となるガソリン市況が伸びを欠く点も弱気材料の一つとして挙げられた。 ただ、中国の需要が増加するとの見方もある。関税の引き上げにより、中国が米国から輸入しているプロパンやエタンの価格が上がる見通し。プロパン脱水素(PDH)装置やエタンクラッカーの採算を圧迫し、稼働率低下につながるほか、ナフサクラッカーの競争力を上向かせることが考えられる。 韓国のGSカルテックスは9日、入札を通じて、ヘビーフルレンジ・ナフサCグレード2万5,000トン2カーゴを調達した。このうち、5月後半着カーゴはCFRベースで日本市況に対し、5.00ドルのプレミアムだった。
中間留分 豪州、軽油需要回復の観測 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は横ばい。アジア市場では様子見姿勢が強い。米国の関税に対する措置に不透明感があり、原油相場の変動が大きい。状況を見定めたいとして売りを手控えるケースが多いようだ。このなか、わずかながら韓国から販売が浮上。GSカルテックスが個別交渉を通じて5月上旬積みのMR船型1カーゴの販売に動いている。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は上昇した。足元は北東アジアの石油会社による5月積み販売が限られており、早めに5月積みの調達を済ませたい買い手が買い気を強めている。また、豪州の需要が戻りつつあるため、これまでに比べ買い気がやや強まっている様子だ。
重油 韓国積み3.5%S下落、アーブ品の増加で 韓国積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場は下落した。シンガポール市況の下落を映した。これまでにシンガポールなど域内の市況が強含んでいたことから、域外からアービトラージ品の到着が増え、シンガポール市場をはじめ市況が後退している。 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は変わらず。供給潤沢感が払拭できず、相場は上伸力を欠いている。4月にアービトラージ品の到着量が減少していることなどから、シンガポール在庫が幾分低下した。しかし、依然として在庫は高水準で、域内の供給に潤沢感が続いている。
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