アジア石油製品=5月26~30日:ナフサ市況は上昇、スポット市場での買い気強く
ガソリン ノンオキシー品は上昇、需給タイト化の見方 北東アジア積みノンオキシーガソリンの市況連動相場は切り上がった。需給引き締まりの見方が強まった。日本ではこのところ、ENEOSや出光興産、コスモ石油の製油所で常圧蒸留装置(トッパー)や流動分解装置(FCC)の不具合が発生しており、これが基調を強気に振れさせているとの見方が寄せられた。6月中旬日本積み92RONガソリンがFOBベースで同市況に対し、1.50ドル程度のプレミアムで売買されている。 米国ではエネルギー需給が引き締まっている。28日に発表された米国石油協会(API)の石油在庫統計で、事前予想に反して原油在庫が前週比424万バレル、同ガソリン在庫も同55万バレル減少した。「強気なサプライズ」との見方が示された。
ナフサ 上昇、スポット市場での買い気強く 7月前半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は切り上がった。スポット市場で買い気が見られている。韓国のYNCCは入札で、7月前半着および同後半着オープンスペックの買い入札を実施。同国のロッテケミカルも7月前半着カーゴの買い入札を実施した。中国国際石油化工連合(ユニペック)も7月前半天津および羊山着として、購買に動いている。 装置関連で、コスモ石油千葉製油所の第2常圧蒸留装置(トッパー、日量10万2,000バレル)が稼働を停止している(マーケットニュース欄参照)。市場関係者によると、22日ごろに停止したという。同製油所からナフサ供給を受ける丸善石油化学はナフサの追加調達の必要がない見通し。 ロッテケミカル・インドネシアは現在、新設ナフサクラッカーの立ち上げ作業に当たっている。市場関係者によると、今週末にもエチレンのオンスペック品を確認できる可能性があるという。当初の予定より1週間ほど遅れそうだ。
中間留分 0.05%S軽油は下落、ベトナムの買い気が弱まる可能性も 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は軟化。中国の売り気が強い。中国石油天然気(ペトロチャイナ)傘下の大連西太平洋石油化工(ウェペック)は6月中~下旬積みとして複数カーゴの販売に動いている。中国石油天然気(ペトロチャイナ)は6月品の輸出量を例月より多い計90万トン程度に設定している。韓国ではほとんどの石油会社やトレーダーが6月積み品の販売を終えている。しかし、一部業者は製油所の高稼働などを背景にスポット玉の追加売りの可能性を模索しているようだ。 北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場は切り下がった。供給の増加を受けた。GSカルテックスが0.05%S軽油をMR船型で2カーゴ販売した。ベトナム勢の買い気がひと頃高まっていた点について、これは安値拾いの買いだった、との見方がトレーダーから示された。このトレーダーによると、一時期の原油価格の下落に伴う値ごろ感からベトナムのトレーダーの間で0.05%S軽油カーゴへの買いが集中していた。ただベトナム国内では現状、極端な需要の増加や製油所の定修や不調という需給を引き締める要因がないため、ベトナムの在庫水準は増加傾向にあるという。これに加え、0.05%S軽油の市況が一時的に好転していたことから買い気が弱まり、マーケットも再び弱基調に転じたとの見方が示されている。
重油 需給緩和感が台頭、相場は下落 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は軟化した。需給緩和感の台頭を受けた。 韓国では製油所の定修シーズンが終盤に差し掛かっていることに加え、低硫黄重油の精製マージンが好転しているなか、石油各社は低硫黄重油の生産を増やしている。一方、韓国ではバンカー需要が低迷。さらに日本向けなどの発電用需要も乏しい状況だ。石炭や液化天然ガス(LNG)の割安感が続いているうえ、元売りによる重油の供給が充分なことから、カーゴ輸入の動きは見られない。韓国の一部石油会社は高在庫を背景に引き続き6月積みカーゴのスポット販売を検討している。
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