アジア石油製品=6月2~6日:ENEOS、7月前半台湾積み軽油を購入
ガソリン 上昇、アーブ拡大を意識 韓国積み91RONガソリン(MR船型)や日本積み92RONガソリンの市況連動相場は上昇した。域外向けのアービトラージが開いていることを受けた。 7月積みカーゴの新規販売は聞かれず。韓国や台湾の石油会社は輸出計画を検討しているとみられる。石油精製1社は相場の先行きについて「MR船型のフレートが上昇しており、積み地ベースでの販売価格が下押しされる可能性がある」とみている。一方で、LR船型のフレートはそれほど上昇していないという。 台湾中油(CPC)は大林製油所(日量35万バレル)で、常圧蒸留装置1基(トッパー、同10万バレル)の定期修理を開始した。7月上旬まで。
ナフサ 下落、供給増加で 7月後半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は弱含み。製油所の定期修理シーズンが終わり、供給が増加しているとみられる。市場関係者によると、7月アジア着の地中海積み品が6月着と比べて多い。 一方で需要面は伸びを欠く。東南アジアでナフサクラッカーの生産活動が回復する兆しが見られるものの、韓国ではYNCCがナフサクラッカーを5月比で5%程度引き下げるなど、相殺されている。 韓国のLG化学は4日締めの入札で、7月後半着オープンスペック2万5,000トンを調達した。価格はCFRベースで6月後半日本市況に対し、ヨウス着が6ドル台中盤のプレミアム、デサン着が7.25ドルのプレミアムと伝えられた。
中間留分 日本元売り、6月積みジェット燃料を調達 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は横ばい。韓国の石油会社による7月積みの販売は表面化しなかった。各社は販売計画を策定している最中とあって、実販売に動くには時期尚早とみられる。日本石油会社による買い気が7月も継続する可能性がある。ENEOSや出光興産は米国方面の調達を行うようだ。 6月のスポット商談においてENEOSと出光興産が北東アジア積みのカーゴを複数確保していたことが明らかとなった。出光興産は中国積み、韓国積みをMR船型で少なくとも2~3カーゴ調達したという。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は上昇。7月積みの売り気が限定的ななか、買いを急ぐトレーダーが北東アジア積み品を調達。相場の上昇につながった。台湾中油(CPC)は4日締めの入札を通して7月1~15日積みの30万バレルを販売した。価格はシンガポール市況比30セント程度のプレミアムだった。積み日の期間が長いことから、一般的なMR船型の商談水準を上回る価格で成約されたという。このカーゴは日本のENEOSが買い手となったとの情報がある。
重油 高硫黄品、需給引き締まり感台頭 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は変わらず。韓国の石油会社による新規販売は表面化せず。足元の低硫黄重油の高クラックを背景に7月以降は販売増強を検討する事業者もおり、スポット市場での供給は潤沢となりそうだ。 日本積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場はもち合い。ただ、アジア域内の高硫黄重油には需給の引き締まり感が出ている。中東では高気温から電力用の需要が堅調となっている。一方、イランが核開発問題を巡り米政府の提案を拒否したことで地政学リスクが上昇。供給への懸念が広がっている。
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