国内石油製品=6月2~6日:陸上ガソリン、東西で再び格差拡大
6月相場に入った陸上ガソリンは根強い先安観測から売り圧力が強まった。特に輸入玉と価格競争が起こりやすい阪神は下げ足が速い。週間で千葉が2.1円安の125.15円に対し、阪神は同3.85円安の123.0円と、東西で再び格差が拡大。千葉を含めた京浜地区では製油所の装置不具合などが表面化し、元売りや商社の市中調達が入ったことも格差拡大の一因となった。
5月22日からの補助金再拡充を受け、ガソリンの卸および小売価格は値下げが続いているものの、補助額が上限の10円に近付いており、目先の下げ余地は限定的との見方も強まっている。上限額に達した後は原油や小売動向、天候などの需給相場に移行する。足元の原油相場は弱材料が散見されるものの、WTI原油は60ドルから大きな値崩れはなく、むしろ底固めとも見て取れる足取り。また、小売価格は値下げにより徐々に客足が戻っているとの声も出始めた。
もっとも、コメ価格の高止まりが響き、消費者の節約志向は継続中だ。天候は8日に九州北部と四国で梅雨入りし、西日本から崩れがち。
一方、東日本はENEOS仙台製油所と川崎製油所第3トッパー、さらにコスモ石油千葉製油所第2トッパーが装置不調で稼働停止。出光グループの袖ケ浦製油所と昭和四日市製油所第3トッパーは定修のため稼働を止めている。詳細は判然としないものの、ENEOSは海上玉、出光興産は陸上玉の市中買いが漏れ伝わっており、こうした大口の買い手に合わせ、海陸両面からアプローチ可能な卸業者は手持ち玉の交通整理が進んでいるという。千葉は阪神に比べて買い支えが進んでいるようだ。