アジア石油製品=6月9~13日:0.05%S軽油は軟調、供給増を反映
ガソリン 上昇、需給引き締まり観測で 韓国積み91RONガソリン、日本積み92RONガソリンは切り上がった。スポット市場で販売可能な7月積みのカーゴが少ないとの見通しがある。需要面では日本勢からの買い気も見られ、需給が締まると観測されている。 中国石油天然気(ペトロチャイナ)はスポット市場で12日までに、7月前半千葉積み92RONガソリンをMR船型で販売した。台湾では、台湾中油(CPC)が11日締めで、7月前半積み95RONガソリン(MR船型)の販売入札を実施済み。 需要面では、日本の元売り1社が6月下旬および7月上旬積みとして韓国積み品を物色していたとの情報が寄せられた。
ナフサ PRefChem、立ち上げ作業開始 7月後半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は変わらず。ただ、北東アジアでは日本や韓国、台湾でナフサクラッカーの生産調整が続き、需要は伸びを欠いている。また、ブタンとの価格差が開き、一部の需要家はブタンのスポットカーゴを物色している状況。一方で、北半球ではガソリン需要期に入っている地域があり、ガソリン市況が強含んだ際にはナフサ相場が下支えされそうだ。 韓国のLG化学は7月後半着および8月後半着としてオープンスペック2万5,000トンの買い付け入札を実施。成約価格はCFRベースで同6月後半市況に対し、7月後半が6ドル前後のプレミアム、8月後半が70セントのディスカウントだった。12日のスポット市場ではロッテケミカルがデサン着およびインドネシア着としてナフサの買い入札を実施した。 装置関連で、マレーシアのペンゲラン石油精製・石油化学(PRefChem)は現在、ナフサクラッカー1基の立ち上げ作業に当たっていると伝えられた。同設備はエチレン年産130万トンの能力を持ち、今年2月から定期修理を実施している。
中間留分 0.05%S軽油は軟調、供給増を反映 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は小幅高。スポット品への買い気が浮上し相場が切り上がった。台湾ではフォルモサ石油化学(FPCC)が販売入札を通し、7月25~27日積みのMR船型1カーゴを販売した。豪州向けの相積みを目的に欧トレーダーがやや割高な水準で購入した可能性がある。中東、インド品の多くは欧州に向けられており、オセアニア向けは数量が限られる。こうした環境から、同地域向けとして北東アジア品を確保する動きが続いている。 北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場は軟化。供給増を受けた。これまでの0.05%S軽油の堅調な地合いから、石油会社は同製品の供給を増やしている。 FPCCは12日に締め切った0.05%S軽油の販売入札で、7月18~22日積み0.05%S軽油30万バレルを販売。韓国GSカルテックスも7月積み品を複数販売している。
重油 域内の供給増見通し、相場は上値重い 韓国積み0.3%S重油(MR船型)の市況連動相場横ばい。シンガポールを中心に供給が増える見通しで、相場は上値が重そうだ。韓国では、石油1社が7月積みとして0.3%S重油SR船型の販売を検討している。このなか、シンガポール市場では6月下旬以降にこれまでに不足していた低硫黄重油のブレンディング基材の欧州品が多く到着するようだ。これにより、今後は低硫黄重油の供給が一段と増えそうだ。スポットの取引では、マレーシアの国営ペトロナスのトレーディング子会社のペトコが6月22~23日積みとして低硫黄重油(0.7~0.8%S)の30万バレルの販売に動いている。
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