アジア石油製品=6月23~27日:ナフサは下落、域外品潤沢で
ガソリン 下落、販売増とフレート高止まりで 北東アジア積み92RON(MR船型)の市況連動相場は先週から下落した。7月積みの販売数量が増えている一方、メキシコなど域外向けの需要が細り、相場は上伸力を欠く。フレートの高止まりも弱気材料となった。 中国の大連西太平洋石油化工(ウェペック)は26日締めの入札で、7月10~12日積み92RONガソリン(MR船型)をFOBベースで同市況に対し、55セントのプレミアムで販売した。市場関係者によると、7月積みの販売が終盤を迎えたなか、期近積みカーゴへの需要が埋まりつつあり、プレミアムが圧縮された。8月積みの販売はまだ聞かれていない
ナフサ 下落、域外品潤沢で 8月前半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は下落。域外品の供給が豊富とみられ、需給引き締まり感はない。 韓国のハンファトタルエナジーズは入札を通じて、8月前半着ヘビーフルレンジ・ナフサCグレードを購入した。成約価格はCFRベースで同市況に対し、7ドル前後のプレミアムとの情報が寄せられた。地中海などからの供給が多いため相場が下押しされたとみられる。市場関係者は「イスラエルとイランが交戦中で、Cグレードの成約可能な水準は10ドル台中盤と見込まれていた」と伝えた。 韓国では大韓油化工業(KPIC)も急遽スポット調達に動き、8月前半着オープンスペックを約4ドルのプレミアムで手当てしたとの情報も寄せられた。 26日のスポット市場ではLG化学が買い入札を開示した。日本の需要家2~3社も、8月着カーゴの調達を模索中。国内の石化1社によると、国内で不調や定期修理を抱える製油所が多く、通常どおり稼働している製油所はガソリンを精製するためナフサを多く消費しているとみられ、製油所出しナフサの供給がそれほど増えてはいないという。
中間留分 上昇、先安観後退で 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は週の後半にかけて反発した。シンガポール先物市場では7~8月にかけてのスプレッドが一時期よりも縮小したため、先安観が後退。7月中~下旬積みのディスカウントが縮小している。中国石油天然気(ペトロチャイナ)傘下の大連西太平洋石油化工(ウェペック)は入札を通して7月積みのMR船型2カーゴを販売した。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は上昇。中東情勢の緊張がいったん緩まったことで、シンガポール先物市場においても7月8月の月間格差が縮まり、ひところに比べ先安観が一歩後退している。また日本からの供給も限られている。ENEOSの製油所で装置不調が相次いでおり、同社が積極的に7月積みの販売に動いている様子は見受けられない。
重油 需要不振で相場下落 韓国積み0.3%S重油(SR船型)の市況連動相場は軟化した。主要な仕向け先である日本で需要が低迷している。日本の電力会社は、引き続き割安な石炭や液化天然ガス(LNG)の調達を進めており、重油の買いには積極的ではない。このため日本商社による輸入の動きは活発ではなさそうだ。スポットの取引では、7月下旬に韓国積みの0.3%S重油SR船型が日本向けに成約された。S-オイルは24日、入札を通じて7月9~13日と27~31日積みとしてスラリー重油(1.5%S)2万6,000トン型2カーゴを販売した。
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