アジア石油製品=6月30日~7月4日:ガソリン相場基調弱まる、中国が輸出量増加へ
ガソリン シノペック、7月積み輸出を20万トン追加 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は週間を通じてもち合った。8月積みの商談に移行しつつあるなか、市場では弱材料が散見される。アジアから米西海岸向けのアービトラージは閉じたままで、メキシコなど域外向けの買いが見えない。また、フレートの高止まりもFOBベースの相場に下押し圧力を強めている。 このうえ中国で輸出を増やしている。中国石油化工(シノペック)が7月の輸出量を合計20万トン近くまで増やすことを決めたという。これにより中国の7月輸出量は合計85万トン近辺に達する見通しだ。中国石油天然気(ペトロチャイナ)は依然として大連出しなどとして7月積みの売り物を抱えている可能性が指摘された。
ナフサ OSN軟調、中国のナフサ需要減少の見通し 8月後半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は弱含み。中国のナフサ需要が減少する可能性がにわかに高まった。米国政府は2日、エタンを扱う複数の輸出業者に対し、中国向けエタンの輸出や荷揚げに関する制限を取り消すと通知。これにより、中国の需要家が米国産エタンを輸入する際の制限がなくなり、競合原料のナフサ需要が後退しそうだ。 8月後半日本着ヘビー・ナフサの市況連動相場も軟化。米国からの豊富な供給が相場を押し下げた。米国産カーゴを保有しているトレーダーらがこれまで仕向け先だったベネズエラに販売できず、余った玉がアジアへ運ばれている。
中間留分 リグレードのマイナス拡大で軽油得率引き上げの見方 北東アジア積みのジェット燃料(MR船型)と0.001%S軽油(同)の市況連動相場はいずれも横ばい。ただ、シンガポール先物市場におけるリグレードのマイナス幅拡大を背景に、軽油の採算性が向上。石油会社は軽油の得率を引き上げてジェット燃料の精製を抑える傾向にある。スポット市場では、ジェット燃料の供給減少と軽油の供給増加が予想された。こうしたなか、台湾ではフォルモサ石油化学(FPCC)が中間留分の販売入札を開示。ジェット燃料の対象は8月10~14日積み30万バレル1カーゴ、0.001%Sは8月16~20日積み0.001%S軽油75万バレル 7月の欧州の需要は期待できそうだ。バカンスシーズンに突入し、季節的にディーゼル車の需要が盛り上がりやすい。そのなか、欧州では熱波により製油所の稼働に影響が及ぶまでとなっており、供給に支障も出始めているようだ。
重油 域内で売りが散見、製油所不調とマージン向上で 韓国積み0.5%S重油(SR船型)の市況連動相場は変わらず。製油所のトラブルや良好な精製マージンなどにより、域内では売りが散見される。シンガポールの先物市場で、ドバイ原油対比0.5%S重油のクラックマージンは9.00ドル強の水準を維持している。このなか、北東アジアの一部石油会社はスポットの販売意向を強めている。台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)が8月11~30日積みとしてストレートラン重油(0.5%S)MR船型の販売入札を実施した。FPCCは6月積みから3カ月連続で同油種を販売している。
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