アジア石油製品=7月14~18日:Sincohem、8月東南アジア着ガソリンを販売
ガソリン 軟化、米向けアーブ縮小や東南アジアの需要減で 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は軟化した。アジアから米国向けアービトラージの縮小や東南アジアの需要の弱さが弱材料視されている。また、中東積みカーゴがシンガポールなどアジア方面へ輸出されているとの情報もあり、需給緩和感が意識されている。 中国中化(Sinochem)が8月シンガポールまたはマレーシア着として92RONガソリン3万5,000トンのオキシー品を販売した。市場関係者によると、成約価格はCFRベースで同2.00ドル程度のプレミアムだった。
ナフサ 下落、需給緩和感広がる 9月前半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は下落した。需給緩和感が広がっている。域外品の供給が多い一方、需要面ではガソリン基材向けの引き合いが伸びを欠く。加えて、一部の需要家が石化原料としてLPGを使用している。市場関係者は、中東情勢が悪化したタイミングでカーゴを手配していたトレーダーが今になって販促を仕掛けている可能性もあるとの見方を示した。 エチレン市場では、中国国内価格が軟調となっている。米中エタン貿易再開後、国内市場でエチレンの供給不安が後退。エタン船が中国に到着すればエタンクラッカーの稼働が通常化するため供給は一段と増加する見通し。 中国石油天然気(ペトロチャイナ)の広西石化で17日までに、新規エチレン設備(同120万トン)を含む石油精製・石油化学設備の増強工事が完了した。主に同社の製油所から新規エチレン設備向けの原料が供給される予定だ。今後、試運転に移行する。
中間留分 ジェット燃料販売減、軽油増の見通し 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)および0.001%S軽油(同)の市況連動相場は前日から横ばい。中国では8月積みの販売が浮上している。中国海洋石油(CNOOC)が8月上旬恵州港積みとしてジェット燃料MR船型1カーゴを販売した。市場関係者によると同カーゴはCFRベース落札された。FOBに換算するとシンガポール市況対比50セント程度のディスカウントという。このカーゴの硫黄分は0.001%。市況が好調なため軽油へのブレンディングを念頭に、高い水準で購入されたようだ。このところ中国では栄盛石化が0.001%S品を販売するなど、低硫黄分品の販売が増加。また、今後、中国石油各社はジェット燃料の輸出を減らし、市況が堅調な軽油輸出増に舵を切る可能性があるという。シンガポール先物市場ではリグレードのマイナス幅が広い。石油会社は採算性の観点から軽油供給に注力する展開となっている。
重油 出光興産、7月下旬四日市積みカーゴを販売中 日本積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場は横ばい。製油所のトラブルなどを背景に、元売りが輸出に踏み切っている。出光興産が、7月下旬に四日市積みとなる3.5%S重油3万トンの販売に動いている。同社傘下の複数製油所で定修やトラブルを抱えているもよう。一方、韓国の石油1社が8月に日本積みの3.5%S重油MR船型を物色していた。 |
|