アジア石油製品=7月21~25日:ガソリンは軟化、需給緩和を反映
ガソリン 軟化、需給緩和を反映 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は下落した。需給緩和を反映した。とりわけ、中国の輸出量増加が重石となっている。市場関係者によると、独立系石油会社が中国国内市場でガソリンの販売を増やしている影響で、国営系石油会社が在庫を輸出に回している。 アジアと米国のアービトラージが閉じており、メキシコなどから買いが見られない点も弱材料だ。米国では大雨により予想外に需要が冷えているとの情報が寄せられた。 こうした状況下、中国の大連西太平洋石油化工(ウェペック)が23日締めで、8月5~7日積み92RONガソリンMR船型をFOBベースで同50セントのディスカウントで販売した。
ナフサ 上値重く、サウジで装置不具合の情報 9月前半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は下落した。需給が緩い。アジア域内の製油所は市況が好調な中間留分の生産を意識し、高稼働で運転しており、供給が多いようだ。需要家のなかには、自国で生産するナフサで需要を賄える可能性を示唆する業者も見られている。さらに、市場関係者は「中国の一部需要家が米国からエタンを輸入できるようになっていることで、一時旺盛だったナフサの需要が押し出されるとの見方がベースにあるのではないか」とし、9月前半日本着の成約可能な水準は45日前で小幅プレミアムと指摘した。限月間の値差もほとんどないという。 中東積みナフサ(LR船型)の市況連動相場は横ばい。ただし、競合となる欧米玉の供給が多いため中東玉の相場の上値は重たい。また、サウジアラビアの製油所でリフォーマーの不具合が発生しているといい、同設備が取り込めずに余剰となったカーゴが一時的にスポット市場へ流れているとの見方も寄せられた。
中間留分 中国ウェペックが8月積みジェットを販売 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)は下落。シンガポール先物市場は期先にかけてバックワーデーションを形成。期先にかけて先安が意識され商談水準は切り下がった。中国では大連西太平洋石油化工(ウェペック)が8月積みとして複数カーゴの販売に動いた。台湾中油(CPC)は8月15~30日着のMR船型1カーゴを対象とする買い付け入札を実施し、これはCFRベースでシンガポール市況対比1.00ドル以上のプレミアムで妥結した。大林製油所(日量35万バレル)において9月中下旬より2~3カ月間、常圧蒸留装置(トッパー、日量15万バレル)、残渣油流動接触分解装置(RFCC、同8万バレル)の定期修理を行う。同製油所ではRFCCの不調から長らく続いたため、定期修理前の積み上げに不足が生じ調達に動いた。 北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場は軟化。買い気が減退し、売り圧力が高まった。韓国のGSカルテックスが0.05%S軽油のMR船型2カーゴを販売した。0.05%軽油カーゴの主な向け先であるベトナムの需要が鈍化しており、売り圧力が強まったとみられる。
重油 韓国SKが8月中旬積みを販売 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は横ばい。ただ、域内の供給には潤沢感があり、相場は上伸力を欠く。韓国ではSKエナジーが個別交渉を通じて8月中旬積み0.5%S重油MR船型1カーゴを販売。すでにトレーダーの多くは8月積みの買いを終えている。一方、低硫黄重油の高クラックを背景に石油会社は残渣油脱硫装置(RDS)の稼働を引き上げ、供給量を増強する傾向にある。
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