アジア石油製品=7月28日~8月1日:軽油市況小幅高、中国の輸出少なく
ガソリン オキシー品の需給緩く、インドネシアとメキシコの需要弱く 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は横ばい。ただし、オキシー品の需給が緩く、相場は上伸力を欠く。主要な買い手のインドネシアの需要が弱い。また、アジアと米国のアービトラージが閉じたままのため、域外向けの引き合いも弱い。メキシコ国営のペメックスによる8月積み品調達は1カーゴしか見られないという。 一方、ノンオキシー品の商いでは、日本のコスモ石油は8月積みを計3カーゴ調達済みのようだ。同社は堺製油所(日量10万バレル)で8月下旬から常圧蒸留装置(トッパー)の定修を予定しているが、装置トラブルを抱えているため足元ですでに製油所の稼働を引き下げていると伝えられた。
ナフサ 9月前半着市況は軟調、中国の需要後退が重石に 9月前半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は軟調に推移した。需給が緩い。市場関係者によると、米国積み品がアジアや欧州向けに輸出されており、供給増の一因となっている。 需要面では中国の買い気が冷えつつある。エタンを分解可能な装置を保有する需要家がエタンを使用し、エチレンの販売を増やすと目され、ナフサ需要を押し出している。加えて、中国国内の製油所稼働が高まっており、国産ナフサの供給が増加しているという。中国以外の国でも高稼働を維持する製油所が多く。市場関係者は「特に軽油のマージンがいいため、製油所は高稼働を維持できる」との指摘を寄せた。 9月後半着の市況は同前半着と比べて強含むとの見方が示された。アジアと欧州の価格差が縮小傾向にあり、裁定玉が減少する可能性がある。「トレーダーのロングポジションが解消されるだろう」と需要家1社はみている。
中間留分 ジェット燃料市況下落、行楽需要の終了を意識 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は下落した。アジアから欧米向けのアービトラージが縮小。欧米は依然として在庫水準が低いものの、夏季の行楽需要の終わりが意識され相場の過熱感が和らいでいる。中国勢によるジェット燃料の輸出は高水準のまま維持される見通し。中国石油会社の中には8月品の売り物を今も有するケースがある。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は小幅上伸。中国の8月の輸出量が限られており、供給引き締まり感が強い。中国海洋石油(CNOOC)が8月28~29日積みMR船型カーゴをFOBベースで、シンガポール市況対比30~40セントのディスカウントで販売した。近場の香港やフィリピンへ運ばれる可能性が指摘された。 欧州の軽油需給は当面引き締まったままとの見方が市場関係者から示されている。米国国内の需要が堅調なため、米国から欧州へのカーゴの流入量は多くないようだ。欧州には現在もインド品のカーゴが一定量流入。しかし、欧州連合(EU)の対ロシア制裁により、ロシア産原油を使用した石油製品の欧州への輸入が不可能となっている。インドの石油製品のなかにはロシア産原油を用いて精製されているものも含まれるとみられ、このカーゴが欧州に流れなくなれば、欧州の軽油需給がさらに引き締まるとの見方がある。
重油 インドから売りが継続、モンスーンの雨季で内需減 日本積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場は変わらず。ただし、域内の供給が潤沢なことから、相場は上伸力を欠いている。 シンガポール市場では域外品の流入が増え在庫が高止まり。消化にはしばらく時間がかかる見通しだ。インドではモンスーンによる雨季で内需が減少し、余剰玉を輸出に振り向けている。 一方、バンカー市場では需要が盛り上がりを欠いている。米政府の関税措置が景気減速を招くとの懸念があり、船舶による物流の停滞が見込まれる。中国石油会社は重油カーゴの調達に積極的ではなさそうだ。
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