アジア石油製品=8月18~22日:台湾から重油の買いが継続
ガソリン GSカルテックス、9月下旬積みを販売 韓国積み91RONガソリン(MR船型)は変わらず。ただし、需給引き締まり感から基調は強いままとなっている。豪州向けの引き合いの強さが続いている。また、中国勢の9月積みの輸出動向がはっきりとしないため、供給不足への警戒感が残っている。 韓国のGSカルテックスは入札を通して、9月26~30日積みとしてノンオキシー品を販売した。対象のカーゴは91RONと98RONの相積みとしてMR船型にまとめられた。豪州へ運ばれる見通し。
ナフサ 韓国、石化事業再編へ 10月前半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は下落した。相場の過熱感が後退した。先物価格が急伸したとあり、買い手が様子見に退いている。 装置関連でベトナムのロンソン石油化学(LSP)はナフサクラッカー1基(エチレン年産95万トン)の稼働を再開した。LSP向けのナフサは親会社のサイアム・セメント・グループ(SCG)が調達を担う。SCGの今後のナフサ調達については見方が分かれる。SCGの内部で調整可能とみる市場参加者がいる一方で、輸入数量が増加するとの見方も聞かれた。 一方で、韓国政府は20日、同国の石油化学10社と石化事業再編で合意したと発表した。政府は企業に対し、2025年末までに再編に向けた事業計画を提出するよう求めた。この再編には年間のエチレン生産能力を最大370万トン削減することが目標として含まれる。ただ、エチレン生産能力の削減の目標には強制力がなく、削減に応じた場合に何らかの政策的なメリットが得られるにとどまるという。韓国の市場関係者は「各メーカーがどのように対応するかは現時点で全く分からない」と述べた。
中間留分 軽油は軟化、韓国から売りが散見 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は上昇。中国積みの売り気が限定的。このなか、豪州や日本向けの買い気が出ており相場は切り上がった。GSカルテックスは9月上旬積みとしてすでにMR船型2カーゴを販売済み。中国では栄盛石化が9月18~20日積み30万バレルを対象とする販売入札を実施。中国からの販売は依然として限られている。政府が3回目の割当量を通知するまで、石油会社はまとまった量のジェット燃料の売りに動けない。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は下落。韓国勢による売り込みが散見。供給増を受け、軟調な相場となっている。日本勢の販売は浮上しないが、一部の石油会社はまもなく販売に動くとの見方がトレーダーから示された。ENEOSは堺製油所(日量14万1,000バレル)で常圧蒸留装置(トッパー)の立ち上げを8月末にも計画している。西日本の供給余力が復活しそうだ。一方、出光興産は当初9月積みで、MR船型で数カーゴの輸出を計画していた。ただ、愛知製油所(日量16万5,000バレル)が間もなく定修に入ることなどから、輸出量は減少する可能性が高いという。
重油 台湾から買いが継続 日本着0.3%S重油(MR船型)の市況連動相場は前日から変わらず。日本ではスポットの買いが長らく見られず、取引は閑散としている。日本の電力会社は引き続き割安な液化天然ガス(LNG)や石炭の調達を優先し、重油の買い付けを抑えている。また、国内の重油の供給も潤沢で、商社などによるカーゴのスポット輸入は見られない。 北東アジアでは、夏場の電力需要期を迎えて以降、台湾中油(CPC)による買いが続いている。同社は輸入品を台湾電力へ供給している。CPCは入札を通じて10月1~31日着の0.3%S重油3万6,000トンを買い付けた。一方、同社は、8月27~31日積みの0.35%S重油3万5,000トンを販売した。CPCは、大林製油所(日量35万バレル)の残渣油流動接触分解装置(RFCC、同8万バレル)が不調のため稼働率を引き下げている。このため余剰の重油が生じている。
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