アジア石油製品=9月1~5日:ナフサ市況上昇、供給の引き締まり観測で
ガソリン CNOOC、10月上旬海南積み品を販売 韓国積み91RONガソリン(MR船型)は横ばい。ただ、域内の販売量が現時点で少ない。加えて、域内外で装置の定期修理や不具合により、ガソリン市場では全般的に供給が逼迫気味と伝えられた。また、日本の一部の石油会社は引き続き輸入ポジションとなっている。 スポット市場では、中国海洋石油(CNOOC)が10月3~4日海南積みとして92RONガソリンのノンオキシー品1万2,000トンを販売した。このカーゴはブルネイに持ち込まれるとの情報も寄せられた。このほか、韓国のGSカルテックスは5日締めで、10月13~17日積みMR船型の販売入札を実施。一方で、中国中化(Sinochem)は入札を通じて、9月24~26日積み92RONガソリンをMR船型で販売した。
ナフサ 上昇、供給の引き締まり観測で 10月後半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は小幅に上昇した。供給が引き締まるとの観測から相場は底堅い。スポット市場では韓国の石化1社が10月後半着オープンスペック2万5,000トンをCFRベースで同9月後半市況に対し、5ドル程度のプレミアムで購入した。 シンガポールのアスター・ケミカルズ・アンド・エナジーのナフサクラッカー(エチレン年産110万トン)の立ち上げが遅れ、11月中の再開を目指していると伝えられた。同設備の立ち上げ遅れによりナフサが一部余剰となっているようだが、「ほかのナフサクラッカーが稼働率を上げられる余地があり、吸収されるだろう」との見方が聞かれる。 10月後半日本着ヘビー・ナフサの市況連動相場はもち合った。需給に大きな変化は見られず。スポット市場では、韓国1社が4日締めの入札で、10月後半着MR船型を調達。価格はCFRベースで同9月後半市況に対し、20ドル台後半のプレミアムだった。
中間留分 軽油相場は上昇、世界的な供給引き締まりを意識 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は下落。中国からは石油会社から9月積み品販売が浮上している。一方で豪州や日本向けの9月品を対象とする調達は一巡しつつあり、需給には緩みが生じている。大連西太平洋石油化工(ウェペック)の製油所出し9月23~25日積みMR船1カーゴが入札を通じて成約された。石油各社は政府からの3回目の石油輸出割当量の通知を待っている。ただ、通達時期が不透明なため、2回目までの割当量を充てて期近9月積み品の売りを進めている。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は切り上がった。10月積みの商いが始まったばかりでスポット市場でのカーゴが限られる。また、中国品の販売も見られない。欧米の軽油需給引き締まりも意識された。欧州の相場は堅調で推移。供給の引き締まりを受けている。オランダにあるシェルのパーニス製油所(日量40万4,000バレル)が9月中旬~11月に大規模定期修理を実施する。同製油所の精製能力は欧州で最大規模。また、ウクライナによる石油の精製施設やターミナルへの攻撃により、ロシアが軽油輸出を抑えたことも供給減の一因だ。アジアから欧州向けの裁定取引はまだあっていないものの、世界的な軽油需給引き締まりが意識されており相場の強材料として寄与した。
重油 高硫黄重油市況上昇、供給減の見通しで 日本積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場は上昇した。シンガポール市場では高在庫の消化が進む見通しで、市況が続伸している。9月後半以降に域外品の流入が減少するとの見通しが広がり、供給潤沢感が解消されそうだ。欧米からアジア向けのアービトラージが閉じており、トレーダー筋による新規調達が減少しているもよう。中東やインド品も、採算の良い欧州向けが中心となり、アジア向けは少なくなりそうだ。
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