アジア石油製品=9月8~12日:ノンオキシーガソリン下落、ジェット燃料上昇
ガソリン 日本積みカーゴが売買、買い気後退とフレート高が相場下押す 北東アジアのノンオキシーガソリン市況は前週から下落した。需要減退やフレートの上昇がFOBベースの相場を下押している。買い気が強かった豪州では、10月上旬でジーロン製油所の残渣油流動接触改質装置(RFCC)の定期修理が終わる見通し。また、日本からの引き合いもひところの強さを欠く。 スポット市場では10月中~下旬日本積みとして、92RONガソリン(MR船型)1カーゴがFOBベースでシンガポール92RON市況に対し90セント程度のプレミアムで売買されたと伝えられた。日本では装置不調の解消でガソリン在庫の逼迫感が和らいでおり、8~9月積みの商談時期に比べて輸出余力が回復している。 一方、台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)が10日、二次装置の定期修理を開始した。
ナフサ 強材料散見で市況底堅く 10月後半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は横ばい。需給両面で強材料が散見され、相場は底堅い。BASFは10~12月期に中国で新規のナフサクラッカーの立ち上げる見通し。市場関係者は「この設備は原料となるナフサやLPGを海上輸送に完全に依存する」と伝えた。この設備向けにクウェートからカーゴが運ばれているとの情報もある。 欧州のナフサ市況も底堅いとの声が聞かれる。ナイジェリアのダンゴテ製油所で残渣油流動接触分解装置(PFCC)の調子が悪いため、欧州からアフリカ向けにガソリンの引き合いが増加しナフサの消費が進んでいると指摘された。 スポット市場では、インドのバハラット石油(BPCL)が9月18~19日積みナフサ3万3,000トンをFOBムンバイベースで同市況に対し、20ドル前後のプレミアムで販売した。インド市場の関係者は、同国では経済性の観点から米国産やアラブ首長国連邦(UAE)産の軽質原油の使用が増えているとあり、軽質留分の得率および販売が増えていると指摘している。
中間留分 ジェット燃料、米西海岸向けアーブ拡大 北東積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は上昇。中国勢による販売がなく10月前半における北東アジア積みのカーゴは限定されている。米西海岸向けのアービトラージ拡大も北東アジア相場の底上げ要因となった。米国西海岸においては今後定期修理が複数予定されており、同地域向けの引き合いが強まっているとの指摘もある。 韓国積み灯油(SR船型)の市況連動相場は上昇。本格的な灯油需要期を控え、日本の石油元売りや商社から買い気が浮上。韓国石油会社もこれを受けて売唱えを引き上げている。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は横ばい。ただし、足元の軽油マーケットは底堅い。10月積み販売に動く石油会社が少ないことや、中国から追加の輸出割当量の通知がなされておらず、供給が限られることが大きい。また、インド品が欧州やアフリカに流入しており、アジアへのインド品カーゴの流入も少ないことが相場の支援材料となっているようだ。韓国では10月前半積みの複数カーゴが、FOBベースでシンガポール市況対比20~25セント程度のディスカウントで成約した。
重油 シンガポールの在庫高止まり 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は横ばい。ただし、域内の供給は引き続き潤沢で、相場の基調は弱い。シンガポール市場では依然として重油の在庫が高止まりし、その消化に時間を要するとみられる。先週まで一時的に上げ基調となっていたシンガポール市場の低硫黄重油市況も再び下げに転じている。 ただ、ブレンディング用の中硫黄品が不足している。このなかベトナムから売りが継続している。同国のニソンリファイナリー・ペトロケミカルリミテッド(NSRP)が入札を通じて複数カーゴの売りに出た。 |