アジア石油製品=9月15~19日:500ppm軽油は下落、韓国の売り気強く
ガソリン 中国から供給増加観測、引き締まり感が緩和 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は変わらず。ただ、中国で今後、売りが本格化し、供給が増加するとの見通しが広がっている。既報のとおり、同国では16日夜、今年3回目の輸出割当量が通達され、石油各社は輸出計画に取り組んでいる。主要な輸出元である中国石油天然気(ペトロチャイナ)などは来週以降にも販売に動きそうだ。 中国では製油所の定修シーズンが一段落しているうえ、このところガソリンの精製マージンも良好なため、石油会社による輸出意欲が高まりそうだ。需要面では、このところインドネシアからスポットの買いが継続しているのは既報のとおり。これまでに中国から売りが乏しかったことから、国営プルタミナの買いが順調に進んでおらず、買い付け入札を繰り返していたとの指摘が聞かれる。
ナフサ 日本1社、11月前半着カーゴを調達 11月前半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は下落した。ロシアからの供給減が見込まれる一方で、ナフサクラッカーの稼働調整が続き相場は小幅安。石化メーカーからは「需給逼迫感はそれほど強くない。受渡しされるナフサの比重も比較的重たい」との声が聞かれた。川下では、スポット市場で日本の三菱ケミカル旭化成エチレン(AMEC)が11月前半着オープンスペック・ナフサ2万5,000トンを調達した。 一方、欧州のナフサ需要は底堅い。ガソリンブレンディング用の消費が市場で見られている。市場関係者によると、欧州ではアフリカ向けにガソリンの生産が続いている。供給が引き締まるとの観測から相場は底堅い。スポット市場では韓国の石化1社が10月後半着オープンスペック2万5,000トンをCFRベースで同9月後半市況に対し、5ドル程度のプレミアムで購入した。
中間留分 500ppm軽油は下落、韓国からの売り気強く 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は横ばい。中国政府は3回目の石油輸出割当量を通知したが、石油会社による10月積み販売の動きは鈍い。割当量が当初想定を下回ったため、当面の輸出計画を見直すケースもある。 北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場は切り下がった。韓国から続々と販売が浮上し需給が緩んでいる。アジア市場では0.05%S軽油の価格がジェット燃料対比で高く、採算性の観点から供給が多い。S-オイルは18日締めの入札を通じて10月22~26日、27~31日積みのMR船型計2カーゴを販売した。GSカルテックスも18日までに10月26~30日積みとしてMR船型1カーゴを販売。
重油 ダンゴテ製油所からの売りが継続 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場はもち合い。ただし、需給の緩みが解消されず、相場の基調は弱いままだ。アジア域内ではシンガポールを中心に在庫が高い一方、北東アジアでは今後、電力需要の端境期に入ることから、発電用などの低硫黄重油の需要が減退しそうだ。これに対し製油所のトラブルもあって、スポットの市場では引き続き売りが散見される。 ナイジェリアのダンゴテ製油所(日量65万バレル)が、10月6~8日積みとして低硫黄ストレートラン重油(0.5%S)13万トンの販売入札を実施している。応札の締め切りは19日。既報のとおり、同製油所では残渣油流動接触分解装置(RFCC)がトラブルで停止していると伝えられている。
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