アジア石油製品=9月22~26日:ジェット燃料市況低下、販売増加の見通し
ガソリン 中国、石油2社が輸出増の可能性 北東アジア積みのガソリン市況は週間を通じて横ばいで推移した。中国政府から通達済みの今年3回目の輸出割当量が想定より少なかったとあり、枠を持つ石油会社のなかには販売計画を慎重に作成する動きが見られた。市場関係者によると、中国石油天然気(ペトロチャイナ)や中国石油化工(シノペック)が輸出量を増やす可能性があるとの情報がある一方、CNOOCは枠に余裕がないため輸出数量はそれほど増えないとの見通しも伝えられた。
ナフサ 上昇、ロシアの供給減が上げ材料に 11月前半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は上伸した。ロシアからの供給減少が相場に上げ圧力を加えている。同国の製油所はウクライナからドローン攻撃を受けており、供給力が低下している。韓国の石油化学1社は入札を通じて、11月前半着オープンスペック2万5,000トンをCFRベースで10月前半日本市況に対し、7.75ドルのプレミアムで購入した。 中国の2025年の輸入量は前年と比べて増加している。中国税関によると、8月のナフサ輸入量は157万トンで、前月比8.06%減、前年同月比16.25%増となった。また、1~8月の累計輸入量は1,087万トンで、前年同期比27.70%増加した。同国では独立系精製会社裕龍石油化学(Shandong Yulong Petrochemical)が第2ナフサクラッカー(エチレン年産150万トン)の稼働を新たに開始。エチレンのオンスペック品を確認済みだ。
中間留分 出光興産、10月上旬中国積みジェット燃料を購入 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は切り下がった。中国石油会社からの売りが本格化しており、アジア域内の供給が増えている。中国中化(Sinochem)は23日締めの入札を通し、10月2~4日積みMR船型1カーゴをFOBベースでシンガポール市況対比80セント程度のディスカウントで出光興産に販売した。このカーゴは大連西太平洋石油化工(ウェペック)の製油所での積み込みとなる。Sinochemは25日さらに、10月11~13日積みのMR船型1カーゴを対象とする販売入札も実施した。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の商いでは、日本積みの市況連動相場は週の中盤に下落。販売増を受けた。ただし、週後半には日本のENEOSが中間品の輸出を減らす可能性が浮上。同社の水島製油所B工場(日量20万2,000バレル)では重油基材のタンクが故障したほか、一時コーカーの稼働も停止していたと分かった。
重油 高硫黄カーゴの供給減 日本積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場は横ばい。ただし、供給減の兆しから、相場の基調は強含んでいる。ウクライナによるロシアの製油所や石油ターミナルなどへのドローン攻撃の影響で、ロシアの重油の輸出余力が低下している。このためシンガポール在庫が減少するとの見通しが強まっている。 日本国内では関西電力が10月から和歌山県の石油火力発電所を閉鎖することを決定。日本の発電用重油の需要が一段と減少する見通しだ。
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