アジア石油製品=9月30日~10月3日:ジェット燃料は下落、アジア域内の買い気一巡で
ガソリン PRefChem、RFCC不調が続く 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)相場は先週から横ばいとなった。ただ、東南アジアの買い気と中国積みの販売量の少なさから相場は底堅さを維持している。 マレーシアのペンゲラン石油精製・石油化学(PRefChem)の製油所(日量30万バレル)で、残渣油流動接触分解装置(RFCC)2基の不具合が解消されず、現時点で2基とも停止中。うち1基は今週末の再開を目指しているとの情報が聞かれたが、状況は判然としない。域外ではナイジェリアのダンゴテ製油所でもRFCCの稼働状況が芳しくなく、相場の基調を強気に振れさせている。 ノンオキシー品の商いでは、このところスポット市場へ売りに出されるカーゴ数が少ない状況と伝えられた。市場関係者は「韓国や台湾といったノンオキシーを生産している製油所が定期修理により生産量を落とす見通しのため、売りが少ない状態は11月積みでも続くだろう」との見方を示した。
ナフサ オレフィン市況の上値重く 11月後半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動商談がスタートした。ロシアからの供給減少が引き続き強材料として挙げられている。ロシアからはナフサに限らず、ガソリンの供給も細る見通し。このため、他地域でガソリンブレンディング用のナフサ需要が増加するとも観測される。 一方でエチレンの供給余剰感が強まっており、基調は弱い。米国積みエチレンが北東アジア向けに成約したことが一因と指摘されている。プロピレンやブタジエン相場も上値が重たく、ナフサクラッカーの稼働率を下押しする可能性も聞かれる。 スポット市場では韓国のハンファトタルエナジーズ(HTC)が入札を通じて、11月後半着フルレンジ・ナフサを複数カーゴ調達した。また、トラフィギュラがアーブ玉を販売。東南アジアではロッテケミカル・インドネシアも同日、非コマーシャルタンク品を調達したようだ。
中間留分 ジェット燃料は下落、アジア域内の買い気一巡で 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は切り下がった。中国勢による10月積み品の販売が本格化しており、供給には潤沢感がある。日本では西日本より10月末積みとしてMR船型1カーゴが成約されたもよう。価格は深いディスカウントとの情報もある。西日本の製油所では10月以降、新規に常圧蒸留装置(トッパー)の停止を伴う定期修理予定はなく、製油所稼働が比較的安定している。また、灯油の需要も本格化していないため、輸出余力が生じたとみられる。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)は前日から横ばい。新規商いは浮上せず、相場は膠着している。韓国のSKエナジーのウルサン製油所は、第3常圧蒸留装置(トッパー、日量17万バレル)が10月中旬より約1カ月間定修に入る。同社の輸出量は11月積みも10月積みと同程度の輸出量となる見込みだ。同社は10月積みとして、0.001%S軽油をMR船型で複数カーゴ販売していた形跡がある。10月積みは0.05%S軽油の販売はなかったが、市場関係者によると11月積みは0.05%S軽油のカーゴが出てくる可能性もあるという。韓国では10月3日から大型連休が始まるため、しばらく韓国の取引は小休止となりそうだ。足元の輸出採算を好感し、日本のENEOSなどが引き続き輸出に動きそうだ。
重油 HSFO、ロシアの供給減が支援材料 日本積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場は横ばい。ただし、高硫黄重油(HSFO)は、ウクライナによるロシア製油所などへの攻撃を受けて供給が減少傾向にあるようだ。また、市場関係者によると石油精製業者が精製基材としてHSFOの調達に動いている節もあり、これが相場の支援材料となっている。 日本の関西電力は9月26日に、御坊石油火力1号機および2号機を順次廃止すると発表した。2号機が10月31日、1号機は2026年6月30日をもって廃止する。市場関係者からは「今回の同発電所廃止に伴い、発電用重油の内需減少のスピードが早まるかに注目している」との声が寄せられた。日本の重油需要は今後も漸減するとみられている。
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