アジア石油製品=10月6~10日:ジェット燃料、米西海岸向け需要が急増
ガソリン 相場は堅調、供給引き締まり感強く ガソリン市況はオキシー品、ノンオキシー品ともに底堅く推移した。主要な供給元の中国の輸出量は引き続き少なそうだ。同国政府が9月中旬、第3回の輸出割当量を通達。1~3回の総計839万5,000トンは十分な数量でないとの見方が寄せられる。また、同国の石油会社は引き続きジェット燃料の輸出に注力する見通しで、ガソリンなど他油種の輸出量限られそうだ。域内では韓国のSKエナジーや台湾中油(CPC)などが残渣油流動接触分解装置(RFCC)の定修を実施する。 東南アジアではマレーシアのペンゲラン石油精製・石油化学(PRefChem)の製油所で常圧蒸留装置(トッパー、日量30万バレル)が8日に稼働を停止。この影響で、残渣油流動接触分解装置(RFCC)の立ち上げ作業時期が11月へ延期されたとの情報が伝えられた。
ナフサ PRefChemがカーゴを物色、トッパー停止を受け 11月後半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は同水準を維持した。精製装置の停止によりナフサの需要が増加する兆しがある。市場関係者によると、PRefChemはトッパーの稼働が停止した一方で、ナフサクラッカー(エチレン年産120万トン)の稼働を停止する計画は今のところないという。トッパーからのナフサ生産が減少する見通しとあり、海外のスポット市場で購入可能なカーゴを探しているとも伝えられた。中国では2025年末にBASFが新規ナフサクラッカーの稼働を開始する計画。市場関係者によると、11月中に誘導品設備を先んじて立ち上げる。同設備向けにナフサの販売を狙うプレーヤーが見られている。 スポット市場では、中国の万華化学が11月10~25日煙台着のライト・ナフサ5万5,000トンをCFRベースで10月後半日本市況に対し、8.00~9.00ドルのプレミアムで購入した。
中間留分 10月積みジェット燃料、2.00~4.00ドルのプレミアムで売買 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動市況は堅調。11月品の基調は強い。米西海岸向けとして北東アジア10月積みの高引火点品が高水準で成約された形跡がある。市場関係者によると、今週までに韓国や日本積み品がFOBベースでシンガポール市況対比2.00~4.00ドル程度のプレミアムで成約された。米カリフォルニア州にあるシェブロンのエルセグンド製油所(日量28万5,000バレル)で今月上旬に火災が発生し、複数二次装置の稼働を停止。米西海岸の供給が減少し、アジアで生産される高引火点品に対する買い気が強まった。 北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場は上昇した。需給の引き締まりを受けた。北東アジアから高硫黄軽油の輸出が減少するなか、ロシアからも供給も途絶えている。台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)は8日、入札を通じて11月14~18日積みMR船型1カーゴの0.05%S軽油を販売した。価格はFOBベースで同市況対比1.70ドル近辺のディスカウントと伝えられた。
重油 シンガポールの在庫高止まり 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は変わらず。ただし、供給潤沢感が払拭されず、市況は軟調なままだ。シンガポール市場では依然として低硫黄重油の在庫が高止まりしている。市場関係者によると、8~9月にはアジア域内に域外品の高硫黄および低硫黄重油が月間合計400万トンほど流入したという。 北東アジアでは、韓国のSKエナジーに11月積みで0.5%S重油の輸出余力が生じそうだ。ウルサン製油所(日量84万バレル)で10月中旬から12月上旬まで残渣油流動接触分解装置(RFCC、日量9万5,000バレル)の定修を予定している。
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