アジア石油製品=10月13~17日:ジェット燃料は上伸、中国積み輸出の不透明感で
|
ガソリン 日本積みの売りが表面化 ガソリン市況はノンオキシー品が下落。商談の中心が11月中旬~下旬積みカーゴへと移行しているなか、バックワーデーションが意識された。スポット市場では11月前半日本積みとして、92RONガソリンのMR船型が売買された。同国からは11月下旬積みカーゴの売りも出ているようだ。日本の元売りのなかでは出光興産が10月積みの商談から輸出ポジションを取っている。 一方で、ENEOSは川崎製油所(日量24万9,100万バレル)で常圧蒸留装置(トッパー)を含む定期修理を実施中とあり、修繕作業が終了するまでは輸入ポジションとみられる。 一方、コスモ石油は堺製油所のトッパー(同10万バレル)の再稼働が遅れたものの、緊急調達の必要はなかったようだ。当面の間、輸入の計画はないという。太陽石油も目立った動きは聞かれない。
ナフサ 需給緩和で上値重く 11月後半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は横ばい。ただ、需給緩和の兆しが見られ、基調は弱気に振れつつある。 オレフィン生産の採算性が低下しナフサクラッカーの稼働率に押し下げ圧力がかかるなか、域外からの裁定玉が増加傾向という。市場関係者は「一部の売り手がカーゴを抱えており、販売先を探している」と伝えた。 また、ナフサとLPGの価格差が大きく、石化原料としてLPGを調達する動きもあるという。韓国のハンファトタルエナジーズ(HTC)は11月後半着プロパンおよび同11~30日着ブタンの買い入札を開示。このうち、ブタンはナフサ市況対比の応札を求めている。
中間留分 ジェット燃料は上伸、中国積み輸出の不透明感で 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は上昇。中国積みの輸出に不透明感が漂っている。こういったなか、暖房需要期入りから引き合いが強まっており、需給が引き締まった。中国では栄盛石化が11月7~9日積みのMR船型1カーゴをプレミアムで販売済み。他の石油会社による販売は表面化せず。米政府がイラン産原油を購入する中国の独立系製油所や石油ターミナルに対して制裁を科すと通達したことにより、中国積みの輸出に不透明感が出ている。こういったなか、韓国など他国積みカーゴへの買い気が増しているようだ。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は切り上がった。北東アジア域内の供給引き締まりから、相場に上昇圧力が加わっている。韓国のGSカルテックスは10日に、0.001%S軽油の販売入札を実施。一方その他の韓国、台湾の石油会社の製油所が定修に入っており、市中にはスポットで販売可能なカーゴが乏しい。
重油 域内外でスポット販売減少の見通し 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場はもち合い。東南アジアでは、マレーシアのペンゲラン石油精製・石油化学(PRefChem)が、トラブルのため常圧蒸留装置(トッパー、日量30万バレル)の稼働を停止している。また、ナイジェリアのダンゴテ製油所(65万バレル)は、トラブルで停止していた残渣油流動接触分解装置(RFCC)を再開したもよう。このためこれらの製油所からの売りは今後、限られそうだ。
|
|
|




