アジア石油製品=11月3~7日:ガソリン市況高、豪州で定修作業に遅れか
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ガソリン 豪アンポール、脱硫関連装置の定修中 ガソリンの商いでは韓国積み91RONガソリン(MR船型)や日本積み92RONガソリン(同)の市況が上昇した。南半球で夏場の需要期が近付いており、豪州では例年並みの需要が見込まれる。同国では12月、硫黄含有量が最大0.001%へと規制強化される。しかし、アンポールはリットン製油所(日量11万バレル)で実施中の脱硫関連装置の修繕作業が2025年内に終わらない可能性があり、再稼働までは輸入に頼る必要があると伝えられた。一方、ジーロン製油所(同12万バレル)で今週、水素化処理装置(ハイドロトリーター)の定期修理が終了する予定といい、規制強化に対応できそうだ。 スポット市場では12月中旬千葉積みの92RONガソリン(MR船型)がFOBベースで同市況に対し、2ドル台後半のプレミアムで売買された。
ナフサ 韓国で稼働引き下げの動き 12月後半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は横ばい。ロシアからの供給不安が残るほか、中国で新規ナフサクラッカーの立ち上げが予定され、引き合いも高まるとみられる。 一方で、韓国でナフサクラッカーの稼働率の引き下げの動きが聞かれる。市場関係者によると、石化1社がすでに稼働率を90%から86%へ引き下げた。 LG化学もデサン工場のナフサクラッカーの定期修理終了後、デサンとヨウス工場のクラッカーの平均稼働率を当初の予定から5%ほど下げることにしたと聞かれた。同じくデサン工場でクラッカーの定修中の現代ケミカルは工期の延長を検討しているという。 市場関係者は今後の見通しについて「「ナフサの精製能力は頭打ち。需給バランスはそう崩れないだろう」とみている。
中間留分 中国勢の輸出増加の公算 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は前日から横ばい。市場関係者によると、中国政府は石油会社4社による低硫黄重油から石油製品への輸出割当量の転換要望を受け入れた。これにより、既報のとおり、中国石油天然気(ペトロチャイナ)の36万トン、中国石油化工(シノペック)の20万トン、中国海洋石油(CNOOC)の5万トン、浙江石化の3万トンがそれぞれ低硫黄重油から石油製品に振り替えとなる。石油各社はマージンや国内需要の兼ね合いからジェット燃料の輸出を増強する見込み。12月以降は供給が増加するとの指摘も寄せられた。 韓国積み灯油(SR船型)の市況連動相場は横ばい。日本国内ではにわかに灯油の需給が引き締まっている。太陽石油の四国事業所(日量13万8,000バレル)では先週より常圧蒸留装置(トッパー)に付随する装置の一部で不調が発生。これにより、同社は国内品の供給を引き締めている。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場はもち合った。中国からの供給が増える可能性がある。足元のクラックマージンが堅調なことから、一部の市場関係者は同じくクラックマージンが好調だった今年の7~8月並みの輸出量になると踏んでいる。中国の貿易統計によると、7月の輸出量は81万7,937トン、8月の輸出量は93万5,866トンだった。
重油 元売り1社に販売意向 日本積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場は同値で推移した。ただし、域内供給の潤沢感が払拭されず、相場は上伸力を欠いている。シンガポール市場で在庫が高止まりしているなか、コスモ石油が12月積みとして3.5%S重油(380cst)カーゴの販売を検討している。堺製油所(日量10万バレル)でコーカー装置にトラブルが発生したことが背景にある。同社は国内のバンカー向けの供給を優先する方針ではあるものの、重油カーゴの売りも来週以降に予定しているもよう。
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