アジア石油製品=11月10~14日:軽油は急伸、供給引き締まり感を受け
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ガソリン 軟化、期先安を反映 韓国積み91RONガソリン(MR船型)は下落。シンガポール先物市場で12月限と1月限の月間価格差が1.35ドルほどのバックワーデーションを形成しており、月の後半積みカーゴの成約価格の上値を抑えているとみられる。 中国では中国海洋石油(CNOOC)が12月11~12日海南積みとして、92RONガソリン1万2,000トンを販売した。台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)は12月12~16日、同16~20日積みとして、92RONガソリンのMR船型2カーゴを対象に売り入札を実施した。 期先安を背景に市況は下落したものの、供給余剰になっているわけではなく、相場の下げ幅を削っているようだ。韓国のSKエナジーのウルサン製油所(日量84万バレル)は、残渣油流動接触分解(RFCC)1基の修繕作業が遅れており、輸出量がMR船型で5~6カーゴ減少する可能性が指摘されている。
ナフサ 下落、採算悪化で需要減 12月後半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は切り下がった。需要の後退を受けた。石化製品の生産マージンが圧迫され、韓国を中心にナフサクラッカーの稼働率低下の動きが見られる。韓国1社は経済性の観点から、実施中のナフサクラッカーの定期修理の期間を9日間延長することとしたようだ。 エチレンの商戦では既報のとおり、米国から北東アジアへ玉が持ち込まれている。東南アジアで供給が余剰となっており、カーゴの一部が中国へ仕向けられているという。 こうしたなか、韓国のロッテケミカルは12月後半着オープンスペック2万5,000トンをCFRベースで同市況に対し5.00ドルのプレミアムで調達した。デリバリーレンジを半月間から引き延ばしたとの情報も聞かれた。 韓国のGSカルテックスも12月後半着としてスキクダ出しのヘビーフルレンジ2万5,000トンを購入した。
中間留分 軽油は急伸、供給引き締まり感を受け 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は上昇した。スポット市場における供給は限定的で、相場は堅調となっている。暖房用需要期に入っているため、各社は灯油精製を増強。また、米西海岸向けのアービトラージも開いているとあって、高引火点品の供給にも注力しておりジェット燃料の精製量が限られている。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は急伸。暖房需要が高まるなか、北東アジアや中東では製油所トラブルが発生しており、軽油の需給引き締まり感が強い。 韓国のGSカルテックスは12月5~9日、同8~12日積みのMR船型カーゴの販売入札を締め切った。同社はこれに先んじて12月末積みのMR船型カーゴをFOBベースでシンガポール市況対比20セントのプレミアムで販売。シンガポール先物市場における12月と1月の限月格差を考慮すると、取引の中心である12月中旬積みの成約可能な水準はFOBベースで同市況対比1.10~1.20ドルのプレミアムに相当する。
重油 韓国石油1社に販売余力 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は変わらず。ただし、需要が振るわず相場は上伸力を欠いている。シンガポール市場で在庫が高止まりしているのは既報のとおり。一方、北東アジアでは中国などで低硫黄重油の買い気が乏しい。中国石油会社は、低硫黄重油の輸出割当量を充分に持ち、カーゴの買いに消極的な姿勢だ。日本でもカーゴの買い気が弱いという。供給面では、韓国SKエナジーに12月積みとして0.5%S重油MR船型の販売余力があるものの、現段階では成約は聞かれない。
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