アジア石油製品=12月1~5日:弱材料が散見、重油市況は下落
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ガソリン 12月後半積みノンオキシー品の売りが散見 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は変わらず。取引の中心が1月積みに移行しているものの、本格的な商談を始めるには時期尚早なことからプレーヤーは様子見に徹している。台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)は製油所の定修を終え、1月積みにスポット販売の余力が生じている。一方、北東アジアでは複数の石油会社が依然として12月後半積みの売りを進めている。日本ではENEOSが売り物を残している。中国では中国石油天然気(ペトロチャイナ)が12月末・広州積みとしてノンオキシー品の92RONガソリンMR船型を販売した。中国海洋石油(CNOOC)は12月末・海南積みの92RONガソリン1万2,000トンを販売した。 韓国積み91RONガソリン(SR船型)の市況連動相場は軟化した。製油所の定修明けに伴う供給増で、相場は下落した。一方、主要な仕向け先である日本では冬場の不需要期に入っていることもあり、輸入品の買いに積極的ではなさそうだ。
ナフサ 中国ユニペックが1月着品の買い付けに動く 1月後半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は横ばい。中国の中国国際石油化工連合(ユニペック)は舟山港1月着の3万~5万トン、上海着の3万トンを対象とする買い付け入札を実施した。中国政府による2026年のナフサの輸入割当量については明らかではない。 中東では定期修理が一巡し始めている。サウジアラムコ・トタル石油精製化学(SATORP)では46万バレルの常圧蒸留装置(トッパー)1基が定期修理を終え、今週に立ち上げ作業を開始した。また、サウジアラムコ・シェル製油所(SASREF)は15万バレルのトッパーについて、12月中下旬の再稼働を計画している。今後は徐々に中東積みの供給が増加する見込みだ。 韓国のLG化学がデサンに保有するナフサクラッカー(エチレン年産127万トン)は定修を終え3日までに稼働を再開。同設備は10月13日から12月2日までの工期で定修のため稼働を停止していた。LG化学は2月前半および3月前半着のオープンスペック・ナフサを調達済みだ。
中間留分 軽油は下落、供給増加観測を受け 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は軟化。域内需給の緩みが意識されている。中国では中国中化(Sinochem)が大連西太平洋石油化工(ウェペック)積みのMR船型1カーゴを販売した。中国勢はジェット燃料の好調なクラックマージンを背景に輸出を増強中だ。韓国からは12月および1月積みの新規スポット販売は表面化せず。韓国ではSKエナジーのウルサン製油所(日量84万バレル)では12月末までに二次装置を含むすべての定期修理が完了する予定とあって、1月以降は同社からの供給が増加しそうだ。また、米西海岸向けのアービトラージ縮小により、高引火点品の引き合いが減少していることも弱材料として伝えられた。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は下落した。北東アジアでは製油所の定修明けが相次いでおり、供給の増加観測が台頭している。日本のENEOSが12月下旬川崎や水島積みとして、MR船型で3カーゴを販売した。 スポット入札が散見される一方、2026年のターム契約も進んでいる。韓国のGSカルテックスは2026年分の0.05%S軽油をFOBベースでシンガポール市況対比1.50~1.60ドルのディスカウントで契約したという。同社は2026年の0.001%S軽油のターム契約をFOBベースで同市況対比30~35セントのプレミアムで締結していた。
重油 弱材料が散見、市況は下落 日本積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場は下落した。弱材料が重なり、先行きの相場に下押し圧力が強まった。このところフレートが急騰しているうえ、シンガポール市場では依然として在庫が高止まりしている。さらに市場では期近積み品の売りが頻繫に聞かれる。先週、ベトナムのニソンリファイナリー・ペトロケミカルリミテッド(NSRP)が12月上旬積みとして4.8%S重油4万2,000トン、インドのバハラット石油(BPCL)が12月13~14日積みとして3.8%S重油2万6,000トンの販売に乗り出していた。
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