アジア石油製品=12月8~12日:MRクリーン船のフレート急伸
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ガソリン 強含み、製油所不調散見 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は台湾積み93RONガソリンや日本積み92RONガソリンが上昇した。シンガポール先物市場でバックワーデーションが形成されており、1月上旬積みカーゴの相場は押し上げられた。日本や韓国で製油所の不具合が散発したことも支えとなった。韓国ではGSカルテックスやS-オイルの製油所で残渣油流動接触分解装置(RFCC)の不調が発生し、稼働を停止したと伝えられた。 スポット市場では1月上旬千葉積みとして、92RONガソリン(MR船型)がシンガポールの92RON市況に対し1.65ドルのプレミアムで売買された。
ナフサ OSN市況横ばい、クラッカー稼働抑制とフレート高が拮抗 1月後半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は横ばい。市況は膠着している。ナフサクラッカーの稼働抑制が日本や韓国、シンガポールなどで見られ、原料需要の弱さが意識されている。ただ、船賃の上昇がCFRベースの取引価格に上げ圧力を加えているとの指摘が聞かれる。また、LPG市況高を背景に、ナフサへの買い気が戻っていることが強材料のようだ。 スポット市場では1月後半韓国着オープンスペック2万5,000トンがCFRベースで12月後半市況に対し、4.50ドルのプレミアムで売買された。 1月後半日本着ヘビー・ナフサの市況連動相場はもち合った。一部の韓国勢が時折、カーゴを調達しているものの、供給量も十分とあり、相場の上値は重いという。市場関係者によると、米国や欧州といった域外品が充足している。
中間留分 出光興産やコスモ石油にジェット燃料の買い気 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は上昇した。北東アジアでは暖房用として灯油需要が旺盛となっている。これにより、日本の石油会社などは国内の灯油供給見合いでジェット燃料の調達を海外市場で継続する方針だ。市場関係者によると、出光興産やコスモ石油が調達の意向を持っている。韓国のSKエナジーが個別交渉を通じて1月2~6日積みのMR船型1カーゴを販売。価格はFOBベースでシンガポール市況対比90セント~1.00ドルのプレミアムだった。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は弱含み。供給潤沢感を受けた。韓国では石油会社の製油所の定修も終わり、供給余力が戻っている。直近ではSKエナジーのウルサン製油所(日量84万バレル)の第3常圧蒸留装置(トッパー、日量17万バレル)が定修明けとなり、現在稼働率を高めている。こうした順調な稼働状況を受けて、韓国の石油会社は続々と1月積みカーゴの販売に動いている。SKエナジーは10日、1月4~6日積みのMR船型カーゴを中東系トレーダーにFOBベースで80セント程度のディスカウントで販売した。
重油 ダンゴテ製油所から販売継続 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は変わらず。1月積みの商談は聞かれず、スポットの取引は閑散としている。クラックマージンの縮小と市況連動相場安を背景に、石油会社はスポットの販売意向が薄い。フレートが急騰しているうえ、シンガポールを中心に在庫は依然として高止まりしている。ほかに、域外からも売りが続いている。 ナイジェリアのダンゴテ製油所(日量65万バレル)が1月5~7日積みとして低硫黄ストレートラン重油(0.5%S)13万トンを販売している。同製油所では、12月上旬に残渣油流動接触分解装置(RFCC、日量15万バレル)が定修に入り、1月末に定修明けを予定している。しかし、1月末に常圧蒸留装置が3月までの予定で定修に入るため、同RFCCの立ち上げもその後になりそうだとの指摘が市場関係者から寄せられた。
フレート MRサイズのクリーン船のフレートが急伸。韓国と日本間はバレルあたり2.00~2.20ドルとなった。需給の引き締まり感が強まっている。ダーティ船の逼迫を背景に、クリーン船をダーティ船に切り替える動きが増加。また、足元は日本向けに灯油およびジェット燃料の買い気が強まっていることも相場を下支えした。
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