アジア石油製品=12月15~19日:1月末千葉積み92RONガソリンが成約
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ガソリン 下落、期先安や装置不調解消、フレート高止まりで 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は韓国積み91RONや日本積み92RONが弱含んだ。シンガポール先物市場での期先安や精製装置の不調解消、フレートの高止まりが弱材料視された。スポット市場では1月29~31日千葉積みとして92RONガソリンがMR船型で売買された。成約価格はFOBベースでシンガポールの92RON市況に対し1.10~1.20ドルのプレミアムと伝えられた。 装置関連で、インドネシア国営プルタミナのバリクパパン製油所(日量36万バレル)で新設された残渣油流動接触分解装置(RFCC、同9万バレル)の本格稼働が遅れる見通しとなっている。市場関係者によると、現時点で低稼働ながら試験運転を実施しているものの、本格的な稼働開始は3月以降になる可能性があるという。
ナフサ OSN市場で逼迫感見られず、1月下旬着品売れ残りで 2月前半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は横ばい。1月下旬着カーゴの売れ残りが散見され、需給逼迫感があまり見られないため買い手は調達を急いでいない。北東アジアや中東で製油所の定期修理が順次、終了していることも弱気材料だ。一方で、LPG市況高を受け、ナフサへ買いが戻ると見込まれている。 2月前半日本着ヘビー・ナフサの市況連動相場は、日本市況に対しカーゴ到着45日前評価で20.00~30.00ドルのプレミアムに下落した。域外からの供給が多く相場は軟調。ナフサ相場の下落を一因に、パラキシレン(PX)との価格差が開いており、接触分解装置(リフォーマー)の稼働が上向く可能性が指摘されている。 中東積みナフサ(LR船型)の市況連動相場はもち合った。供給量が回復するとの見方から相場の上値は重い。サウジアラビアの製油所2カ所、クウェートの製油所1カ所の定期修理が終了。アルズール製油所も12月中に常圧蒸留装置(トッパー)1基の稼働が戻る可能性が指摘されている。 サウジアラムコは今後、コンデンセートの供給量を拡大する見通し。ジャフラ(Jafurah)プロジェクトは26年1月、コンデンセートの生産を開始し、供給開始は2月以降になると見る向きが優勢だ。
中間留分 韓国積みの販売漸増 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は日に日に軟化した。韓国からの売り気が散見される。一方、日本向けの買い気は盛り上がりを欠いており、相場は下押しされた。韓国ではトレーダー1社が1月下旬積みMR船型1カーゴをFOBベースでシンガポール市況対比50セント程度のプレミアムで販売した。韓国では製油所の定期修理が一巡しており、供給が増加傾向となっている。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は前日から下振れ。韓国の複数石油会社が1月積みカーゴを活発に販売しており、供給には余剰感が出ているためだ。S-オイルが17日に1月25~29日積みの0.001%S軽油および1月17~21日積み0.05%S軽油の販売入札を締め切った。このうち0.001%S軽油はFOBベースでシンガポール市況対比1.05ドルのディスカウントで成約した。
重油 供給減少の見通し、米国の対ベネズエラ制裁を懸念 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場はもち合い。市場は動意薄。韓国を含む北東アジアの石油会社はスポット販売に消極的な姿勢だ。シンガポール先物市場で0.5%S重油は期先高に推移していることや、フレート高を嫌気しているためだ。 一方、アジア域内では先行きの供給が減少するとの見通しが広がっている。米国のトランプ大統領が今週、ベネズエラに制裁を科したことで、同国産の高低硫黄重油の供給減が懸念される。また、東南アジアではマレーシアのペンゲラン石油精製・石油化学(PRefChem)が、トラブルで停止していたRFCC2基の稼働を徐々に引き上げており、処理できなかった重油カーゴの売りが見られなくなっている。
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