アジア石油製品=12月22~26日:中国政府が26年1回目の割当量を通知、販売増加か
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ガソリン 米向けアーブ縮小で引き合いなく 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は横ばい。供給量が漸増しており、相場の上値は重い。アジアの製油所の稼働率が引き続き、高水準を維持しているとあり、ガソリンをはじめ製品の生産量が充足しているという。韓国のSKエナジーは現在、個別商談を通じて1月前半積みカーゴの販売を進めている様子。 域外では、欧米の製油所も定期修理シーズンをほぼ終え、順調に運転できているという。市場関係者は「米国では軽油見合いで製油所を高稼働させた結果、ガソリンが余っている」と指摘した。米国では現在、フリントヒルズのパインベント製油所(日量37万5,000バレル)が10月中旬~2月中旬まで減圧蒸留装置(同5万バレル)を、マラソン石油のゲイリービル製油所(同60万6,000バレル)が12月25~26日ごろまでメンテナンスを実施している。アジアと米国のアービトラージは閉じており、メキシコ向けなどの引き合いは見られないという。
ナフサ 中東積みナフサ市況は軟調、需要弱く 中東積みナフサ(LR船型)の市況連動相場は下落した。需要の弱さを受けた。需要国の韓国や日本で稼働調整が続いている。供給面では、欧州や米国出しカーゴの流通量が多い。12月中にカタールのアルズール製油所(日量61万5,000バレル)の常圧蒸留装置(トッパー、同20万5,000バレル)が稼働を再開する見込み。カタールのラス・ラファン製油所(同26万8,000バレル)で2月から3月にかけて小規模な修繕作業があり、スポット販売が減る可能性があるものの、相場の基調は弱いという。 サウジアラビアで2026年、ジャフラ(Jafurah)ガス田の新規立ち上げが予定されている。このプロジェクトは2月以降にコンデンセートの供給を開始する可能性が指摘されている。一方で、ナフサのスポット販売数量はそれほど増加しないとの見方が優勢。国内でガソリンの生産に使用されるとみられるほか、ゆくゆくはSATORP製油所と統合される予定のアミラル石化工場の新規エチレン設備の原料に充てられると見る向きもある。トタルエナジーズの公式サイトによると、エチレン生産能力は年産165万トンで、27年に試運転を開始する見込み。
中間留分 中国政府が26年1回目の割当量を通知、販売増加か 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は軟化した。北東アジア域内の需給は引き続き緩んでいる。日本向けの買い気の落ち着きに加え、韓国勢などによるジェット燃料供給増が相場を下押しした。また、今後は中国勢が1月積みの販売を活発化させる見込みだ。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は横ばい。ただ、需給緩和感から上値は重い。クラックマージンは24日時点で19.23ドルと依然として高水準のため、今後も軽油の供給が増える可能性がある。中国政府は25日に、2026年第1回の輸出割当量を通知した。ガソリン、ジェット燃料、軽油が計1,900万トンで、2025年第1回の割当量と同等だった。一部市場関係者は想定どおりの内容と指摘している。輸出量のうち、中国石油天然気(ペトロチャイナ)と中国石油化工(シノペック)の割当量が7割を占めている。市場関係者からは、軽油の輸出量は白油のなかでは最も少なくなるとの見方も聞こえた。一方、経済低迷を背景に、国内の軽油需要は鈍化気味との指摘も寄せられている。今のところ中国の石油会社が1月積み販売に動いている様子は見られない。
重油 東南アジア勢の売り気鈍く 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場はもち合い。北東アジアにおける低硫黄重油の新規販売は限定的だった。各社は中間品と比較した重油マージンの乏しさを背景に、引き続きカーゴでの重油販売には消極的な姿勢を取っている。 東南アジア方面からの新規販売も表面化せず。既報のとおり、マレーシアのペンゲラン石油精製・石油化学(PRefChem)の製油所(日量30万バレル)では、9日までに残渣油流動接触分解装置(RFCC)2基が稼働を再開。その後も装置の稼働は順調に上昇しており、重油留分の売りは表面化せず。また、ベトナムのニソンリファイナリー・ペトロケミカルリミテッド(NSRP)の製油所(日量20万バレル)では間もなく、流動接触分解装置(FCC)など複数二次装置の定期修理が完了予定。同社は11月および12月積みとして、定修時に余剰となった重油の販売を進めていたが、この供給が減少する可能性が高い。
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