エア・ウォーター=戸田工業と温泉付随の天然ガスから水素製造へ
産業ガス大手のエア・ウォーターと化学メーカーの戸田工業は19日、北海道豊富町で、温泉付随の天然ガスから二酸化炭素(CO2)を排出せずに水素を製造する新型プラントの竣工式を行った。
完成したプラントは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援事業「豊富町未利用天然ガスを活用した地域CO2フリー水素サプライチェーンの構築」の一環となる。豊富町では温泉に付随してメタンの含有率が95%の良質な天然ガスが湧出しているが、これまで利用されていなかった。天然ガスやバイオガスの主成分であるメタン原料から、「DMR(メタン直接改質)」法により、CO2を直接排出することなく、水素が製造できる。プラントの水素製造能力は毎時40ノーマル立方メートル(Nm3)で、両社によれば商用規模での生産を目指す取り組みは国内初となる。
また、反応過程で得られる副産物には多層カーボンナノチューブがあり、年間約100トンの生産を見込む。両社は2026年3月末までにDMR法による商用化技術の確立を目指し、水素製造コストを国の目標である「Nm3あたり30円以下」へ抑える道筋を探る。
水素製造プラント(北海道豊富町)
写真の出所:エア・ウォーター 発表資料
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