大林組=シールドトンネル工事にバイオ炭を活用した裏込め注入材を初適用
大林組は29日、下水管渠築造工事の一部区間で、バイオ炭を使用した「CN(カーボンニュートラル)裏込め注入材」を、実運用下で初めて適用したと発表した。
この「CN裏込め注入材」が使用されるのは、大阪府門真市の寝屋川流域下水道、下水管渠築造工事。トンネル掘進で使われる、コンクリート分割部材「セグメント」と周囲地山の隙間に充填する裏込め材に、バイオ炭を混ぜた混合材を注入する。
バイオ炭は木材や稲わらなどの生物由来資源を炭化させたもので、炭素を貯留する効果が実証されている。大林組の試算では、バイオ炭が貯留するCO2量が、裏込め注入材の製造時に発生する排出量を上回る。このため、約105%のCO2削減が見込める。例として、この「CN裏込め注入材」を、セグメント外径10メートル、施工延長2キロメートルのシールド工事で使うと、通常の注入材と比較し、約910トンのCO2排出量削減が可能になる。強度や施工性も問題ないという。同社は、今後も炭素貯留型シールド裏込め注入材「CN裏込め注入材」として、トンネル工事に提案していく方針だ。
「CN裏込め注入材」の注入状況
「CN裏込め注入材」適用現場のシールドマシン発進立坑
写真の出所 大林組 発表資料
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