日揮グループ=CO2に蓄電する技術でイタリア新興と覚書締結
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日揮ホールディングスはこのほど、グループ子会社の日揮が、二酸化炭素(CO2)を用いた蓄電技術を持つイタリアのEnergy Dome S.p.A.(エナジードーム)と、10月1日付で日本市場における「協業検討に関する覚書(MOU)」を締結したと発表した。
エナジードームが開発するCO2バッテリー技術は、再生可能エネルギーなどの余剰電力を使い、ドーム状の貯蔵容器内にコンプレッサーで、CO2を圧縮、液化して貯蔵する。夜間など電力需要が高まる時間帯にCO2を再加熱して膨張させ、気体に戻るときのエネルギーでタービンを回して発電する。すでに、エナジードームは出力2万kW、蓄電容量20万kWhの世界初となるCO2バッテリープラントをイタリア・サルディーニャ島で商業運転している。
国内では、太陽光発電や洋上風力を背景に電力の出力変動の緩和が課題となっており、エネルギーを蓄積しておく長期間エネルギー貯蔵システム(LDES)技術のニーズが高まっている。CO2バッテリーの主要機器や部材はリチウムイオン電池のように希少金属を必要とせず、既存サプライチェーンで調達可能なもので、30年以上劣化も起きにくいとされる。低コストで長時間のエネルギー貯蔵が可能なCO2バッテリーは、他のLDESと比べて優位性を有するとしている。両社は今後、エナジードームが保有するCO2バッテリー技術と日揮の国内のエンジニアリング力を組み合わせ、日本での商用プラント導入に向けた協業を進める。
イタリア・サルディーニャ島のCO2バッテリー商用プラント
CO2バッテリー技術のイメージ図
図版の出所:日揮ホールディングス 発表資料
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