JFEエンジ=アンモニアと重油の混焼エンジン、国内初の商品化
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JFEエンジニアリングは20日、アンモニアと重油を混焼する大型中速混焼エンジンの開発に国内で初めて成功し、販売開始したと発表した。
この新型エンジンは、船舶用機器・発電設備で実績のある仏Everllence France社(旧 MAN Energy Solutions France社)の4ストロークディーゼルエンジン「PC2.6B CR」をベースに、JFEエンジニアリングがアンモニアと重油の混焼技術を組み込み、熱量比でアンモニア混焼率50%を実現した7MW超級エンジンとなる。
特徴として、既存の重油専焼機から最小限の改造でアンモニア混焼機へと転換可能な「レトロフィット対応」を開発コンセプトとしており、納入時は重油専焼機として運用し、アンモニアの安定供給が確保でき次第、混焼運転に切り替えられる。運転モードも重油専焼とアンモニア混焼のデュアルフューエル仕様となっており、柔軟な運用が可能だ。
アンモニア燃料は、二酸化炭素(CO2)排出を削減できるメリットがある反面、難燃性であるため未燃アンモニア(NH3)の低減、温室効果ガス(GHG)である一酸化窒素(N2O)や、有害物質の窒素酸化物(NOX)の抑制、熱効率の向上などが課題とされてきた。同社は数値解析と実証試験を通じて、NH3をほぼ排出せず、N2OやNOXも極小化することに成功。さらに出力は、ディーゼル専焼時の85%の熱効率を確保した。
同社は、混焼エンジンを、GHG排出対策が限られる離島発電所向けに販売するほか、今後、船用エンジンに必要な船級取得を進めながら発電用、船舶用の両分野で展開する計画だ。将来的にはアンモニア混焼率を80%まで引き上げたエンジンの商用化を視野に入れている。
混焼ベースエンジン(写真左)、 重油とアンモニアの混焼手法(写真右)
写真の出所 JFEエンジニアリング 発表資料
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