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2026年の電力市場は、引き続き燃料市場や原子力発電の動向が注目されるなか、卸電力価格は安定的に推移するとの見方が多いようだ。2025年12月5日時点で東京電力の柏崎刈羽原子力発電所6号機(定格出力135万6,000kW、ABWR、新潟県柏崎市)は再稼働に向けた取り組みが着々と進んでいるほか、燃料価格も安定的に推移する見通しで、地政学リスクに対する過度な警戒はみられない。資源エネルギー庁では、2025年夏の東京エリアで需給に対する警戒感を示したものの、猛暑が続いたなかで電力需給は安定的に推移したため、市場関係者の間では楽観的な見方が大勢を占めている。 電力市場はLNGの需給動向に大きく左右される展開が続くとみられる。こうしたなか、国際エネルギー機関(IEA)の報告によると、2026年は世界のLNG供給が前年比で約7%増える見通しが示されており、2019年以来、最大の供給増になるという。このため、ガス価格も安定的に推移するとみられ、LNG火力の比率が高い日本にとって電力価格の上値を抑える材料となりそう。 原油市場では、中東情勢やウクライナ動向など、地政学リスクに対する警戒が続く見通し。また、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国で構成される「OPECプラス」などの動向にも注視が必要だ。足元では供給過剰感が強まっている。 発電用石炭は、脱炭素化の流れで各国が石炭火力の使用を敬遠する動きがあるものの、相次ぐ鉱山の閉鎖などで供給は今後も先細りになるとみられ、価格は足元の100ドル前後を維持する見通し。日本にとって石灰火力は引き続き電力の安定供給を維持するベースロード電源であり、他国でも一定の需要はあるため、相場も下がりにくい状況が続きそうだ。
2026年に営業運転が予定されている原子力発電は、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所6号機(定格出力135万6,000kW、ABWR、新潟県柏崎市)。新潟県の花角知事が再稼働を容認したことから営業運転の可能性が高まった。最短のスケジュールでは2026年1月にも原子炉が起動し、さらに1カ月程度で営業運転が開始される見通しだ。 一方、2027年にも早期の再稼働を目指す北海道電力の泊原発について、鈴木北海道知事は11月28日、議会で3号機(同91万2,000kW)の再稼働を認める考えを示した。同機は2025年7月、原子力規制委員会の安全審査に合格している。
今年の電力先物市場は、新たに誕生した中部市場の動向が注目されそうだ。欧州エネルギー取引所(EEX)が昨年12月に上場したのに続いて東京商品取引所も今春までに取引を開始する。 また、東京商品取引所は夜間と立会外取引で取引時間の変更を予定している。夜間取引は現在の17時から16時30分開始に繰り上がる。日本の電力先物は現在、EEXが圧倒的なシェアを占めているが、東商取も昨年1~10月の売買高は前年同期から約5倍に増えており、市場間競争でどう巻き返すか関心を集めそうだ。 このほか、EEXは東京に限定している翌日物取引を今春までに関西でも始める予定だ。
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