エネフリ=直営SSがアドブルー計量器販売を制限、供給不安高まる
フリートサービスステーション(SS)を全国で展開するエネクスフリートは、一部エリアの直営SSで11月下旬から店頭でのアドブルー小売販売に数量制限を設けたもようだ。中国からの原料尿素の輸入が滞っていることが背景にある。
京浜、中京、阪神にある複数SSが計量器(ディスペンサー)での販売量の上限を1車両あたり10~20リットルとした。エリアによっては、ほとんど販売休止状態の店舗も出ているほか、12月から制限を設ける予定の店舗もある。
エネフリにアドブルーを供給する親会社の伊藤忠エネクスは、アドブルーを委託製造するほか、自社でも埼玉に製造工場を保有。ところが中国が原料尿素の輸出を規制したことで、アドブルーの生産体制に支障が出ている。
伊藤忠エネがSSに納入するローリーの巡回頻度を減らしたり、1回に納入する量を制限するなどしたため、店頭の在庫が減少。エネフリは小売出荷量の調整を余儀なくされたようだ。
アドブルーを巡っては、中国からの尿素の輸入停止で、丸山化成が10月下旬より製造を停止。減産に追い込まれる国内のメーカーが続出した。販売店からの供給が途絶えた運送会社によるSSでの購入量が増加した。
エネフリのほかにも宇佐美グループや吉田石油店などの有力フリート業者が運営するSSでも、一部販売量を絞っているもよう。店頭での販売に制限を設ける動きが全国に広がれば、今後、操業停止に追い込まれる運送会社が出てくる可能性もありそうだ。
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