日本郵船=スペイン、セウタ沖で液化アンモニアの船間移送に成功
日本郵船は24日、同社が保有し、三井物産が定期用船中のアンモニア輸送船「BERLIAN EKUATOR」が、大手アンモニアトレーダーであるTrammo社の「ECO ENCHANTED」へ、船から船へ直接移送する「Ship to Ship(STS)方式」で、液化アンモニア2万3,000トンの大規模移送に成功したと発表した。移送はスペイン、セウタ沖の公海上で行われた。
アンモニアは液化石油ガス(LPG)や液化天然ガス(LNG)と比較し、強い腐食性や毒性を持つため、安全管理や移送の難度が高いとされる。日本郵船は、これまで重油やLPG、LNGではSTS方式での実績はあるが、液化アンモニアでの実施は初めて。高いSTS技術を持つ専門プロバイダーのInternational Fender Providers Ltd.社の支援を受け、「BERLIAN EKUATOR」に貨物として積載していた液化アンモニアの全量を移送した。
日本郵船はアンモニアを次世代のクリーンエネルギーと位置づけ、港湾の規模や陸上設備の制約を受けないSTS方式に着目し、今回の成功をもとに国際的な供給網構築を目指す。
アンモニア輸送船「BERLIAN EKUATOR」(右)と「ECO ENCHANTED」(左)
液化アンモニアの移送オペレーション
写真の出所:日本郵船 発表資料 |
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