トヨタ系3社=再エネ活用の分散型電力網システム開発、45%効率化
ダイハツ工業、豊田中央研究所、トヨタ自動車九州は7日、再生可能エネルギーを用いたマイクログリッド(分散型電力網)システムの実証実験をトヨタ九州の小倉工場(福岡県)で開始すると発表した。
ダイハツと豊田中研は、再エネで発電した電力を変換する際のエネルギー損失を最小限に抑えられる電力変換器「Smart Power Hub(SPH)」を共同開発してきた。SPHは発電、使用、蓄電の3方向に接続できるポートを備え、効率的な直流主体のマイクログリッドシステムを実現する。直流と交流の変換回数を減らすことで、従来の交流主体のシステムと比較し、約45%のエネルギー損失を削減できるとしている。小型電動車用のインバータを応用した設計により、低コストでコンパクトなシステムとなり、小規模な事業所への導入も可能となった。また、蓄電池により、落雷などで発生するごく短時間の停電(瞬時停電)のリスクを回避できる。
ダイハツ社内でSPHの技術検証が進められてきたが、より大規模な小倉工場で、太陽光発電の電力を実際の製造ラインに供給する実証実験を10月から始めた。将来的には、日中に蓄電した電力を夜間用に利用するピークシフトやエネルギーの地産地消を実現し、二酸化炭素(CO2)排出量削減につなげたいとしている。
SPHを中心とするマイクログリッドシステムのイメージ
図版の出所:ダイハツ発表資料
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