三井住友建設=採卵鶏ふんを活用するバイオガスプラントの実証運転開始
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三井住友建設は29日、採卵鶏ふんを単一原料とする「無排水型バイオガスプラント」の実証運転の開始を発表した。
同社は、環境省が実施する「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」の一環として、令和4年度から「採卵鶏ふんを単一原料としたエネルギー回収技術の開発」に取り組んできた。
国内では年間約800万トンに及ぶ採卵鶏ふんが発生しており、これまで高速堆肥化装置による処理がされてきたが、大量のエネルギーコストが課題だった。同社の技術の中心は、採卵鶏ふんから再生可能エネルギーであるバイオガスを創出する「メタン発酵技術」となる。従来のメタン発酵プロセスでは、採卵鶏ふんに含まれる高濃度の窒素が発酵を阻害するため、大量の水で希釈する必要があった。その結果、大量の排水が発生し、大規模な水処理設備や大型貯留槽が求められるなど処理コストの増大が課題となり、バイオガス化の実用化を妨げてきた。
この課題に対し、同社は窒素を除去する前処理システムと、発酵残さの液分を原料投入槽へ再循環させる2つのシステムを新たに導入。これにより、排水処理設備が不要な無排水型プラントが実現した。同プラントは、栃木県那須塩原市に設置されており、今後は、養鶏事業者や再生可能エネルギー事業などと連携し、事業化を進める方針だ。
無排水型バイオガス実証プラント
事業化のイメージ(令和4年発表資料)
写真、図版の出所:三井住友建設 発表資料
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