木村化工機など=バイオマス廃液からアンモニア回収、NEDO助成で新技術
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新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2日、木村化工機、神戸大学、ノベルズ、FTバイオパワーが、メタン発酵消化液から省エネルギーでアンモニアを回収するプロセスを開発したと発表した。膜分離と蒸留を組み合わせ、消化液に含まれる低濃度アンモニアを効率的に回収する。NEDOの助成事業の一環で、国内初の技術としている。
下水汚泥やバイオマス(家畜排せつ物、食品廃棄物、食品工場排水など)を原料としたメタン発酵施設では、0.1%~0.3%のアンモニウムイオンを含む大量の廃液が発生する。消化液を肥料として再利用する試みもあるが、作物に吸収されない窒素化合物による地下水汚染や悪臭などの問題があった。 このため、消化液に酸素を供給する曝気(ばっき)や脱窒処理で窒素濃度を下げて放流する方法が一般的だが、工程には多くの電力を要する。 今回発表されたプロセスでは、FO(Forward Osmosis)膜とヒートポンプ式蒸留技術を組み合わせ、省エネ性と経済性の両面で従来法より優位性があるとしている。
下水や生ごみ由来の消化液を用いたベンチプラント実証では、消化液(T-N:約1000ppm)を297トン/日処理する条件で、従来法に比べて二酸化炭素(CO2)排出量を年133キロリットル(原油換算)削減できると試算した。NEDOは、アンモニア回収量は年106トン(アンモニアに含まれる窒素分換算)となり、設備の減価償却年数は21年と見積もった。
NEDOは今後、複数地点で発生する消化液をFO膜で一次濃縮や容積を減らした上で集約し、1カ所で蒸留回収する集合型モデルの社会実装を進めていく方針。バイオガス発電分野の温室効果ガス(GHG)削減に加え、地産地消型の窒素循環の形成につなげるとしている。
NEDOの窒素循環型社会形成の概念図 図版の出所 NEDO 発表資料
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