出光=ベトナムで世界最大級のブラックペレット工場、営業運開
出光興産は9日、ベトナムザライ省において建設を進めていた、年産12万トンのブラックペレット(BP)製造工場が8日に商業運転を開始したと発表した。ベトナム初のBP生産工場であり、世界的にも最大規模となる。
出光は2021年、ベトナムの既存木質ペレット製造会社に出資して、Idemitsu Green Energy Vietnam Limited Company(出光グリーンエナジーベトナム)を設立。新プラントを建設し、BP生産体制を整えてきた。同工場で製造されるBPは、「出光グリーンエナジーペレット(IGEP)」と呼ばれ、脱炭素を目指す国内顧客向けに石炭の代替燃料として供給される。
BPは樹木などのバイオマスを加熱処理したエネルギー資源で、燃焼時には二酸化炭素(CO2)を排出するものの、原料の植物が育つ過程で吸収したCO2との相殺により、カーボンニュートラル燃料とされる。IGEPは、一般に普及している木質ペレットを半炭化した高カロリー燃料で、他のバイオマス燃料と比較し、石炭に近い取り扱いが可能。石炭用の既存設備に大幅な改良を加えずに、燃料転換できるのが特長だ。出光は2030年までの目標として、年間300万トンのBP供給を掲げており、ベトナムでの雇用創出や森林保護にも貢献していく方針を示している。
出光グリーンエナジーベトナムのIGEP生産工場
出光グリーンエナジーペレット(IGEP)
写真の出所:出光興産 発表資料
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