伊藤忠=奄美大島のマングローブ植林でブルーカーボン創出、国内初
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伊藤忠商事は22日、鹿児島県奄美大島の宇検村(うけんそん)と共同で進めてきた「奄美大島・宇検村マングローブ植林プロジェクト」について、12月19日にJブルークレジットの認証を取得したと発表した。国内でマングローブ植林に由来するブルーカーボン・クレジットの創出は初めて。
認証では、宇検村枝手久島の植林面積約1,073平方メートルに基づく二酸化炭素(CO2)吸収量、0.3トン-CO2がJBE(ジャパンブルーエコノミー技術研究組合)の手引きに基づき認められた。対象期間は2023年5月からの累積。申請者は伊藤忠商事と宇検村で、創出したクレジットは宇検村がゼロカーボンシティの実現に向けて全量を保有する。
宇検村では2014年から地元小学生が環境教育として、マングローブの植林活動を続けてきた。伊藤忠商事は、自社の社会貢献活動の基本方針である次世代育成、環境保全、地域貢献と合致したことから2021年から参加し、支援してきた。マングローブは国内での自然分布が鹿児島県と沖縄県に限られる稀少な植物で、CO2吸収量が多い点から気候変動対策と生物多様性保全の両面が期待される。また、マングローブ植林ツアーなどでの交流人口の増加による地域振興も見込む。
同社は、宇検村、上智大学、日本航空(JAL)と2023年に産学官連携協定を締結した。植林に社員や学生が参加すると共に、土壌や水質などの科学的調査、体験型ツアーなどの連携を進める。同社は今後も、毎年の植林活動が継続できるよう、生物多様性に配慮しながら植林適地を広げるとともに、マングローブの成長に伴うCO2吸収量拡大に向けた維持管理にも努めるとしている。
植林された奄美大島・宇検村の地図
図版の出所 伊藤忠商事 発表資料
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