国内最大級エネルギー総合展開幕=脱炭素と再エネの最新動向が一堂に
脱炭素や新エネルギーの総合展示会「第24回スマートエネルギーWEEK【秋】」が千葉の幕張メッセで17日に開幕した。
主催のRX JAPANによると、国内外から約500の企業や団体が出展。脱炭素、水素および燃料電池、二酸化炭素(CO2)の分離、貯蔵技術(CCS、CCUS)、太陽光発電、二次電池、スマートグリッド、風力発電、グリーントランスフォーメーション(GX)の各EXPOに加えて、核融合発電やエネルギー貯蔵技術(ESS)、浮体式用洋上風力などの特別コーナーも設けられた。2050年のカーボンニュートラル実現に向けた各企業の最新技術や研究、実装状況が展示された。
展示会初日には、経済産業省が北海道苫小牧市沖のエリアにおけるCCS事業の試堀許可を発表。このプロジェクトを進める石油資源開発(JAPEX)のブースでは、CCSに用いるドリルや岩盤より採掘された岩石、CCSの安全性を伝える展示が行われた。苫小牧のプロジェクトでは、出光興産の北海道製油所と北海道電力の苫東厚真発電所の廃ガスからCO2を各社が分離、回収し、JAPEXが地中に圧入、貯留する。2030年度の開始に向けて、25年11月より試掘を開始する予定だ。 JAPEXは国内で進められる9件のCCSのうち、3件に関わる
JAPEXのブースに展示された掘削用のドリルピット
また、同日、経産省はINPEXと関東天然瓦斯開発、日本製鉄が連携して行う、千葉県九十九里沖でのCCS事業も特定区域に指定した。苫小牧に続いて、試掘への準備が進められる。政府は現在、9件のCCSプロジェクトを「先進的CCS事業」として選定し、各企業と共に年間約2,000万トンのCO2貯留を目指す。 INPEXの柏崎水素パークはCCUSもプロセスに組み込み、CO2圧入により天然ガスの増進回収に役立てる
海外のCCSの動向では、ENEOS Xploraのブースで、米テキサス州における「Petra Nova CCUSプロジェクト」を展示。近隣の火力発電所から回収、分離したCO2を、老朽化している油田に圧入することで、石油を地中より押し出す「原油増進回収技術:CO2-EOR」を実用化し、2016年より商用運用されている。 ENEOS Xploraの展示。すでに累計500万トンのCO2が圧入された
会場では100本を超える講演が開かれており、「脱炭素経営EXPO」のエリアで行われていた、農業を中心としたカーボンクレジット、Jクレジットの創出と販売を行うフェイガーのセミナーに多くの人が足を止め、関心の高さがうかがえた。
フェイガー、上本絵美氏によるカーボンクレジットセミナー
「第24回 スマートエネルギー WEEK 【秋】」、および「サステナブル経営 WEEK 【秋】」は19日まで開催される。
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