三菱重工=セメント工場向けCO2回収プラントを受注、英国初
|
三菱重工業は8日、世界大手セメントメーカーの独ハイデルベルク・マテリアルズから、英国で初めてセメント工場向けに導入される二酸化炭素(CO2)回収プラントを、豪州ウォーリーと共同受注したと発表した。プラントはウェールズのペイズウッドセメント工場に建設し、2029年の運転開始を予定する。
三菱重工独自のCO2回収技術「Advanced KM CDR Process」を用い、工場から年間約80万トンのCO2を回収する。回収したCO2はパイプラインで輸送し、英国政府がネットゼロ目標達成に向けて進めるCCUS(CO2回収・利用・貯留) 施設集合地区である「HyNet CCUSクラスター」の一部として、リバプール沖の枯渇ガス田に貯留する。英国のセメント生産でCCS技術を導入するのは初めてとなる。
三菱重工とウォーリーは2024年から基本設計を手掛け、今回の受注はそのEPC(設計・調達・建設)段階への移行に当たる。三菱重工グループが主要機器やコンプレッサーの設計や調達を担い、ウォーリーが周辺機器と建設管理を担当する。セメント生産は世界のCO2排出量の7~8%を占めるとされ、石灰石を超高温で焼く焼成(しょうせい)工程からの排出が多く、電力の脱炭素化だけでは対応できないという課題があった。三菱重工は1990年から関西電力と共同で、CO2回収技術の開発に取り組んでおり、すでに18基のプラントを納入している。
CO2回収プラントが設置されるペイズウッドセメント工場
写真の出所 三菱重工業 発表資料
|
|
|




