三菱重工=蒸気加熱でアンモニア分解、純度99%の水素製造に成功
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三菱重工業は10日、同社総合研究所の長崎地区に設置したアンモニア分解パイロットプラントで、蒸気を加熱源に用いてアンモニアを分解し、純度99%の水素製造に成功したと発表した。同社によると、蒸気加熱方式によるパイロットスケールでの水素製造は世界初という。
同社の蒸気・排ガス加熱方式はバーナー燃焼熱を用いる従来技術に比べ、より低い反応温度で運転でき、運転コストの低減が見込める。燃焼炉が不要となり、装置の小型化にもつながるとしている。開発は2023年から日本触媒と共同で進められてきた。
アンモニア分解技術はアンモニアから水素を取り出すために不可欠で、水素サプライチェーン構築に重要な役割を担う。アンモニアは、水素を安全に輸送、貯蔵できる「水素キャリア」として注目されている。三菱重工は今回の成果を生かし、水素需要地の近くに設置可能な中規模・分散型のアンモニア分解システム開発を進める。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「競争的な水素サプライチェーン構築に向けた技術開発事業」に採択された事業として、日本触媒、北海道電力と協働し、アンモニア分解システムの技術確立と社会実装を目指す。
アンモニア分解装置(HyMACS®)のイメージ図 写真の出所 三菱重工業 発表資料
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