神奈川県=自律航行型ドローン活用のブルークレジット国内初認証
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神奈川県は25日、自律航行する水中ドローンで計測した藻場(もば)の二酸化炭素(CO2)吸収量が、Jブルークレジットとして認証されたと発表した。自律航行型の水中ドローンを用いた計測手法による認証は国内初という。
県によると、藻場の保全・再生はブルーカーボンとしての活用が期待される一方、従来のモニタリングは潜水士が現地で測定する必要があり、費用や時間、安全面の負担が課題だった。今回の調査では、水中ドローンを用いたブルーカーボン計測の特許を持つ県内ベンチャーのBlueArchによる、自律と操縦の切り替えが可能なGPS誘導式水中ドローン(ハイブリッドAUV)が使われた。さらに、慶應義塾大学の古谷研究室と連携し、複数種の海藻で構成される藻場について、海藻の種別ごとの被度をAIで推定するなど、最新技術を活用して調査を進めた。
認証されたCO2吸収量は、江の島(藤沢市)が9.6トン-CO2、城ヶ島(三浦市)が33.5トン-CO2で、認証は国の認可法人であるジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)が行った。JBEのサイトで購入に向けた公募を指定単価入札方式で実施しており、0.1トン-CO2あたり税込11,000円、最低申込量は0.5トン-CO2からとしている。県内の藻場は海水温上昇などを背景に約30年で半減しており、クレジットの売却益は環境保全に役立てたい考えだ。
県は今後、調査方法をさらに進化させるべく、BlueArchに加え、海洋データ収集に特化した自律型小型モビリティを開発するUMIAILE(ホンダ発のスタートアップ企業)と、12月9日に3者協定を締結した。これまでは、船舶から水中ドローンを操縦し計測する必要があったが、今後は、船舶を使わずに、陸上から水上ドローンを介して通信し、水中の自律制御型のドローンで観測する手法の構築を目指す。
BlueArchのGPS誘導式水中ドローン
図版・写真の出所 神奈川県 発表資料
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