経産省=排出枠取引市場の基本設計案公表、中東情勢による特例も検討へ
|
経済産業省は26日、排出量取引制度小委員会を開催し、2027年度秋ごろに開設する排出量取引制度(GX-ETS)の排出枠取引市場について、基本設計案を示した。
資料によると、市場は平日の週5日開設し、1日1回、午後3時に売買を成立させる。注文受付は午前8時~午後2時59分とし、注文を集約して単一価格で約定させる「板寄せ方式」を採用する。売買は二酸化炭素(CO2)換算の1トン単位、呼値は1円、制限値幅は基準値段の±90%とする。板寄せ方式は、東証カーボン・クレジット市場でも採用されている。
市場参加者はGX-ETS制度の対象事業者を基本とし、制度対象外の事業者は必要最小限に限定する。制度対象外の親会社などについては、制度対象となる子会社・関連会社から委託された排出枠の売買のみ、市場参加を認める。投資目的などの自己勘定取引は認めない案とした。
また、市場の流動性確保を担保するため、取引業者の参加条件の案も示された。カーボン・クレジット市場で前年の年間営業日の50%以上、売り買い双方の気配を同時に提示した実績を求める。直近2年度で平均的な取引実績以上の取引量を持つことや、金融商品取引法または商品先物取引法に基づく取引所の取引資格を持つことも参加要件となっている。
なお、26日に公表された資料では、カーボン・クレジット市場における約定率の推移が示されており、全期間平均で70.2%となった。資料によると、本年2月以降、約定率は大きく下がりつつある。
さらに、今回の小委員会では、現在も混乱が続く中東情勢などの、経済活動に大きな影響を及ぼす事案の発生によって、生産活動が一時的に落ち込んだ場合の割当調整も検討された。中東情勢の混乱が2026年2月末から始まったことから、2025年度の基準活動量の算定に含まれる2026年3月の生産量が平時より大幅に減少する可能性がある。この場合、経済産業相が認めれば、前年度の活動量実績を用いて基準活動量を算定する特例措置の適用を検討する。
2026年度以降についても、活動量が基準から7.5%以上減少した際に行う基準活動量の引き下げについて、中東情勢による一時的な減産で免除することを検討する。さらに、他社の減産を穴埋めするため、増産せざるを得なかった企業で排出枠が不足するケースを想定し、業種内の事業者について実際の活動量に応じて割当量を調整する措置もあるという。
経産省は今後、業種ごとの中東情勢の影響を精査するとともに、上下限価格の発動要件、排出枠の売却促進策、市場監視方法、化石燃料賦課金などを議論し、年末ごろをめどに取りまとめる予定だ。
カーボン・クレジット市場における約定率の推移 図版の出所 経済産業省
基準年度に経済活動に大きな事象が発生した場合の調整措置のイメージ 図版の出所 経済産業省 発表資料
|
|
|
|
|





