記者の眼記者の眼

第345回 (2026年4月29日)

 特別な出来事があったわけでもない一日。けれど、そんな日こそがどれだけ幸せなのか、ふと立ち止まって考えることがある。

 

 2011年の東日本大震災、そして2020年の新型コロナウイルス感染症の世界的な流行によって、私たちの生活は一変した。この二つの出来事によって、当たり前だと思っていた日常は大きく揺らぎ、私たちの暮らしは一変した。コロナ禍、学生は修学旅行にも行けず、クラスメイトと向き合う時間すら限られていたという。社会人も在宅勤務を余儀なくされ、業種によっては現在もリモートワークが続いている。今後も完全出社に戻らない働き方もあるのだろう。

 

 そして今、中東戦争の影響が、再び私たちの生活に影を落とし始めている。物流の停滞、エネルギーを含む物価の上昇などなど。ガソリン価格の高騰もさることながら、原油由来のナフサの供給にも影響を及ぼし、プラスチック製品の生産にも支障が出ているという。身の回りにあふれている容器や包装材、日用品の多くは、原油由来の原料に支えられており、その影響は想像以上に大きいのだ。気が付けば、値上げのニュースが日常の一部になっている。

 

 昔は何か特別な良い出来事がある日が幸せだと思っていた。しかし今は、「何もない」イコール「何も失っていない」ということでもある、ということを痛感している。石油業界に携わる身として、いまは中東戦争前の何もなかった日常に戻してほしいと願う。

 

(林)

 

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