記者の眼記者の眼

第90回 (2020年4月1日)

 新型肺炎の感染拡大が続き、世界中で人々の社会活動が制限される事態となっている。さらに経済活動にも甚大な影響が広がり、多くの人が在宅勤務を強いられている。私自身もその一人だ。

 

 3月中は職場の同僚と交代での在宅勤務だったが、4月以降は当面、ほぼ全ての社員が在宅での勤務となった。携帯電話での取材先への連絡、ノート型パソコンでのワードやエクセルの操作、メールやSNSを利用した同僚との意思疎通。慣れない作業の連続で業務効率は著しく低下しているが、何より同僚との会話もなく、孤独な作業が続く状況で、息の詰まる思いだ。

 

 もちろん、業務が思うようにはかどらないとはいえ、在宅でも最低限の仕事が可能になっているのは、昨今の情報技術(IT)の進化のおかけだ。海外への電話も驚くほど安価であるうえ、音質にも支障はない。離れた場所で勤務する同僚との情報共有も瞬時に済ませることができる。また、社内ミーティング等の機会が減ることで、取材や記事執筆に集中しやすい面もある。

 

 物事にはいつも光と影があり、一概にすべてが良いことだったり、悪いことだったりするわけではない。ただ、今回の在宅勤務はIT技術のより有効な活用を検討する良いきっかけになったと感じる。

 

 社会の閉塞感は拭えず、いつまで在宅勤務が続くかもわからない。気持ちが折れそうになることもある。それでもIT技術を駆使しながら、今日も我が家から世界の購読者に向けてレポートを発信していきたい。

  

(横井)

 

このコーナーに対するご意見、ご質問は、記者の眼まで 電話 03-3552-2411 メール info@rim-intelligence.co.jp