記者の眼記者の眼

第233回 (2024年2月21日)

 藤子・F・不二雄の短編作品に「パラレル同窓会」という話がある。ある日、大企業の経営者の男性のもとに「パラレル同窓会」なるものへの招待状が届く。「パラレル同窓会」とは、つまりパラレルワールド(平行世界)を生きる自分""が集う、一生に一度の同窓会なのだ。そこに集うある自分は自分と同じ経営者であり、平社員であり、貧乏作家であり、凶悪犯でありと様々な姿となっている。もちろん同窓会なので来たがらない、物理的に来られない自分もいる。人生で様々な選択をしたことで、色々な自分が分裂し、異なる世界を生きているのだ。この同窓会では選択の失敗を救済するために、別の自分が生きる世界を交換することも可能という。沢山の自分と会った主人公がどんな選択をするのか、詳しくはぜひ作品を読んでいただきたい。

 

 パラレル同窓会はフィクションだが、日々、様々な選択をして今の自分ができているというのは誰もが理解できることではないだろうか。何を食べるか、買うか、寝るか寝ないか、運動するかしないか、どう生きるかなど枚挙に暇がない。私はこうやって今、リム情報開発に入り記者の眼を書いているわけだが、それも選択によるものだ。色々なネタのなかでこの話を書こうと思ったのも選択した結果だ。

 

 一方で、私たちは選ばれる立場でもある。数多くのエネルギー関係のレポートの中からリムレポートを選んでくれる読者。これからも読者に選ばれる、またリムレポートを選んで良かったと思われるようなレポートを作っていきたい。

 

(原)

 

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