記者の眼記者の眼

第133回 (2021年12月8日)

 前職を含めると、人に話を聞いて情報をまとめるといった職種に就いて20年近い年月が経過した。前職では主に対面で、現職では電話かチャット、メールで市場関係者に話を聞いている。

 

 連絡手段は昔に比べていろいろと変化した。いまでは多種多様なチャットアプリが活躍、スマホひとつでアジア中に取材が可能だ。一方でいつまでも変わらない相棒がボールペン。ペンの持ち方が良くないからか、しばらく使うと軸にひびが入り書けなくなる。つい最近もたまりかね、1本新しくした。

  

 Z社の1110(税込み)するこの逸品。軸には再生素材が使われている。材質はPCPMMAと書かれている。それぞれポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートの略だ。透明系樹脂の再生材を配合しているようだ。

  

 昨今、各企業は経営におけるサステナビリティの優先度を大きく引き上げ、飲料用ボトルや生活用品などに使用する素材をリサイクルしたものに置き換えている。新しく石油から生産した素材より環境負荷は低減するが、そのためのコストは高くつく場合もある。昨今の天然ガス価格の高騰など例を取るまでもなく、パラダイムシフトにはそれなりの対価が必要だ。

 

 身近なものだけではなく、地球にある資源も含め、今あるものを大事に長く使い、当たり前の毎日が将来も続くこと。世界中の人が願えば、きっとリサイクルの取り組みも実を結ぶ。新しいボールペンをノックしながらそう願う。

  

 

 

(北村)

 

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