記者の眼記者の眼

第173回 (2022年11月24日)

 今年の4月から町内会の班長を担っている。前任の隣人から「よろしくね」と引き継いだ。催しものや保安など、意外に細かい業務があることは知っていたので、当初は「面倒くさいな」と思ったのが本音だ。近所付き合いはこれまで挨拶などはしてきたが、細かいことでかかわることはなかった。

 

 実際に班長になると、班の12世帯に対し町内会から発行される資料や物品の配布などを行う。月1回、今後の打ち合わせもする。他の班長は30代~80代と年齢の幅も広い。また、50年以上住んでいる住民もいれば、ここ数年で新居を構えた人、近所の低層マンションの住人など、10年ほどで住んでいるが人がガラリと変わったことに気付いた。

 

 町内会で警察による電話や訪問詐欺の防止、小学生の通学時の見回りの指導、消防による消火訓練など、学生時代以来受けた記憶がない会合に出た。とくに仕事をリタイアした60代以上の班長が積極的に参加しており、町内の詐欺や交通事故が区内で最も少なく、何気ない人との接点や目配りが治安維持に一定の効果が出ていることを実感した。また、子供向けの夏祭り開催した際、年代の近い班長と接点をもつことがきっかけで、8月に矢沢永吉の国立競技場のコンサートに行くことにもなり、楽しむこともできた。

 

 先入観で物事を判断したり、人との接点を考えることがあるが、記者の業務においても先入観を抜きにして得られる関係性作りに励みたいと思う。

 

(吉井)

 

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